短編的資料集
□SNOW MEMORY
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このハーモニカが本当に僕の物かはわからないが、僕はそれに書かれている名前を名乗ることにした。
雪夜「えっと…望月さん?ここは、どこなんですか?」
僕は全裸なのを少し気にしながら訪ねた。
夕「僕のことは夕でいいよ〜♪ここはシルス西部のトーンシティにある音唱韻高校の学生寮だよ〜」
夕が言うにはトーンシティはこの大陸ではその名の通り音楽で有名な街らしい。
街のいたるところには楽器や音楽関連の専門店が建ち並び、さらには有名な歌手もこの街の出身が多いらしい。
音楽に憧れる者なら誰もが一度訪れることを夢見る街だと。
夕「で、僕の通ってる音唱韻高校は音楽の専門校なんだ〜♪僕コンタンスって国の出身なんだけどミュージシャンになりたくてこっちに来たの〜♪」
にへらと笑いながら夕は楽しそうに話した。
雪夜「ミュージシャン…?」
夕「うん、僕ドラムやってるからね〜♪」
夕は照れくさそうに頬を掻く。
夕「友達2人とバンド組んでてね、たまにライブとかしてるの♪」
夕の話を聞いてる間僕はドラムやライブといった単語の意味がわかることから自分が自身に関する記憶だけが無いことに気がついた。
そして、もう一つ気がついたことがある。
僕は夕の話を聞いているだけで何故か暖かい気持ちになっていた。