短編的資料集

□SNOW MEMORY
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−ーー暖かい






目を覚ますと見慣れない部屋のベッドにいた。

部屋は少し散らかっていて床には雑誌や下着が落ちている。
落ちている下着からみて男性の部屋のようだ。

「気がついたぁ?」

振り向くとそこにはマグカップを両手に持った狸獣人の少年がいた。

「良かったぁ〜いきなり倒れちゃうんだもん。びっくりしちゃたよぉ〜」

狸の少年はのほほんとした口調で話ながら近づいて来た。

「あの…君は?」

「僕は夕。望月夕だよぉ〜」

「僕は…」

僕は名乗ろうとしたが自分の名前が思い出せないことに気がついた。

夕「えっと…雪夜くんかな?」

「煤I?」

夕「あ、ごめん…雪が溶けて濡れて風邪引いたら悪いと思って服脱がせたらこれが…」

彼は銀色のハーモニカを一つ差し出した。
そのハーモニカには清花雪夜と彫られていた。

雪夜…それが僕の名ま……へ?
服脱がせたとき?

僕は恐る恐る自分の体を見た。
腰から下は布団を被っているが感覚からして何も身に付けていないんだろう。

そう思った途端羞恥心で顔に血が上るのをかんじた。
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