短編的資料集

□子犬のプレリュード
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『か〜ごめか〜ごめ、カゴの中の鳥は…♪』

夕暮れの公園から聞こえる子供たちの童歌。
病院の窓辺でその童歌に耳を傾ける犬獣人の小さい男の子がいた。

「勇二…」

病室のドアを開け入ってきた女性の犬獣人が少年の名を呼ぶ。
それに気付いた少年は慌てて病室のベッドに潜り込む。

「駄目じゃない…ちゃんと寝てなきゃ」

勇二「…(コクリ)」

ベッドの隣にあるパイプ椅子に腰かけ布団を整える。

「お医者さまがね、まだ入院が長引きそうだって…だからお外へ出るのは、またしばらく我慢してね」

勇二「…うん」

母親の言葉を聞くと勇二は寂しげな瞳で沈んでいく夕日を見つめていた。

「…仕方ないのよ…アナタは他の人より身体が弱いんだから…」
















それから数年後…

勇二は何度も入退院を繰り返しながらも中学3年生になった。
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