UNDER
□hate or love
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ベッドのスプリングが悲鳴を上げている。
埃っぽい部屋の中はカーテンから漏れる光の線を鮮明に映し出していた。
薄暗い空間に、粘着質の音が響く。
「いっ・・・ゃぁ・・・っ」
譜迩は指先でシーツを掻いた。
膝を折り曲げられ、窮屈な体制で律動を受け止める。
「どした・・・? 早く言えよ、助けてくださいって」
台詞と共に、ぐっ、と熱い楔が体の奥へと打ち込まれた。
くぐもった声が喉の奥から押し出される。自分ではどうしようもない衝撃が背筋を駆け上がった。
「こんなに濡らして・・・アンタ聖職者だろ?」
嘲笑うかのような言葉を投げられるものの、指摘された場所を擦られては否定の仕様がない程あられもない声が出てしまう。
抗いようのない快楽が、身体を弛緩させ、溶かしてゆく。
言葉とは裏腹に、アサシンの指先はこれでもかと言うほど優しく、そして巧みに動き譜迩を暴き出してしまった。
「やっ・・・」
男どころか、女性との経験もない譜迩は与えられる悦楽をどう受け止めていいのか分
からずにただ涙を流すだけだ。
アサシンの顔はもう滲んだ視界にぼやけて映っている。
絶え絶えになる呼吸。
聞いた事のない様な自分の声。
数回しか顔を合わせた事のない人間に犯されている事実。
それが全てもう空想の世界のような気がしてならない。
これが夢ならどんなによかっただろうか。
痛みは殆んど与えられていない。しかし男との経験、ましてや女性との経験すらない
譜迩にとって、この快楽は恐怖と紙一重だった。
初めて他人によって与えられる性的快楽。
「っふ、言わなくてもわかるぜ? 気持ちいいんだろ?」
ここの具合がさっきとは全然違う。
アサシンはそう言って譜迩と繋がった部分を指でなぞった。そこは不自然な程広が
り、刺激に反応して収縮した。
「随分、イイじゃない・・・聖職者の癖にこういう事が好きなんだな・・・」
アサシンは僅かに息をつまらせ、そう言う。
ずるずると直腸を擦られ、形容し難い感覚が背筋を這った。
そういうわけじゃない。
興味がないといったら嘘になるだろうが、譜迩はこういう事が好きか嫌いかと判断する段階まで言った事がない。これが初めてなのだ。
耳年増で男同士はどうだとか聞いたことはあっても、した事がない。好きか嫌いかな
ど、分かるわけがなかった。