UNDER

□hate or love
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掴まれた腕が異様に熱い。
身長差はゆうに20cmはあろうかというのに、目の前を歩く長身のアサシンは歩幅を緩
めようとはしなかった。
譜迩は半ば引き摺られるように小走りになってしまう。

「ちょ、っと・・・付き合ってって一体何処へ行くんですか!?」

このアサシンは何を考えているのだろう。
先ほどは『キライ』だのなんだとの抜かしていたくせに、今度は腕を掴んで離そうと
しない。
自分の事を覚えてくれていたのかどうかもあやふやで、名前さえ名乗っていないの
だ。
そんな状態で付き合ってなどと言われたらどんなことに付き合えばいいのだろう。

「ギャーギャーうるさいんだよ」

アサシンは問いかけた譜迩に対して振り返りもしないでそう言う。
言葉ほどに刺々しい口調ではないが、言われれば少なからず腹が立った。

「貴方ねぇッ!!一体なんなんですかっ!!」

地面に踏ん張って無理やり立ち止まると、漸くアサシンは譜迩へと向き直った。
振り返ったアサシンの表情はこれでもかと言うほど不機嫌だ。先に啖呵を切ったのは
自分であるが、思わず怯んでしまう程その蒼い瞳は鋭い。

「・・・っ、つ、付き合うって・・・何にですか・・・」

見つめてくる瞳には明らかに怒りの色が見え隠れしている。
譜迩は半歩後退りながらもそう問い返した。

「・・・アンタ、俺と仲良くなりたいんでしょ?なら付き合ってくれてもいいじゃん」

アサシンはさも当たり前のように返してくるが、その言葉だけではアサシンの意図す
るところまでは理解できない。
譜迩は困ったように顔をしかめた。

「別にいいんだけどね。仲良くなりたくないんなら」
「そ、そういう意味じゃ・・・」

譜迩が何か言う前にアサシンがそんなことを言い出すものだから、最早譜迩には言い
返す言葉がない。

「なら付き合ってよ」

最終的にはこうやって振り出しに戻されてしまった。






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