UNDER

□熱
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「…こうする為の薬だ」

カイトはそう言って、リクの着ている白いシャツの胸元をはだけた。
現れたのは白く、見た目以上に細い体。

「は、…やめ…っひ、ッ!!」

カイトの冷たい指先が、脇腹を撫で上げて胸の突起に触れる。
びくりと腰が跳ねた。

「体は動かなくなるが、感度は上がる薬を作ったつもりだが…どうだ?」

言いながら、カイトは突起を指で刺激してくる。
その度に、リクのそこからは熱が放たれダイレクトに下腹部へ伝わっていった。
腰が重くなるような感覚を覚える。

「あっ…ゃ、っ」

自由に動かすことは出来ないのに、筋肉の反射による体の痙攣だけは起きてしまう。
反応する下半身の熱をどうにかしたかった。
手が動くなら今すぐにでも自身を擦りたくなる様なもどかしさに、リクは歯を食い縛る。

「感度はいいな。体も動かない様だし…どうする?」

言われてはたと気付いた。
手も、まして脚も動かせないリクにとって解放し難いこの熱は誰かの手を借りなければど
うしようもないものだ。
かといって都合のいい人物は目の前にはいない。
目の前に居るのは、カイトだけ。

「く、…っ何とかしろッ」

この効果を打ち消す薬はないのだろうか。
体も動かなくなり、感度も上がったことが証明されたならもうリクがこの状態を保つ必要
はない。
リクは自然と潤んでくる眼でカイトを睨めつけた。

「効果を終わらせるには、2つしかないが」

もう頭がおかしくなりそうだ。
そんなリクとは正反対に、カイトは酷く涼しげな、いつもと何ら変わらない表情をしてい
る。
こんな恥態を晒しているのが自分だけかと思うと、今すぐにここから消えたくなった。

「一つは、このまま効力が切れるまで我慢するか、もう一つは…」

カイトは文献を読むような口調で言いながら、ジーンズを履いたままのリクの両足の間へ
手を滑り込ませた。
窮屈な位に変化した自身に触れられ、リクは変な声を出してしまう。

「誰かに、してもらうか…」

カイトがジーンズの上から爪を立てた。
鋭い快感が背筋を走る。
そのまま撫で上げられ、リクの眦から滴が落ちた。
泣きたい気持ちはあったが、泣きたい訳ではない。ただ、生理的な涙が零れただけ。
すがるしかないのか、この男に。

「どうしたい?リク…」

カイトの甘く掠れた声が鼓膜を揺する。
誘惑に負けてしまいそうだ。
全てを曝して狂ってしまえたら、どれほどいいだろうか。
しかし理性が邪魔をする。
だが、このまま効力が切れるまでの過ごすのは拷問の様なものだ。とても正気の沙汰では
ない。
リクは噛み締めた唇を開いた。

「やれよ…」

吐息にかき消されんばかりに弱々しい声で言う。
カイトは僅かに目を細めた。

「やれよっ…」

再び口にした台詞を聞き、カイトはリクのジーンズに手をかける。
下着ごと引き剥がされ、それにさえ恐ろしい位の愉悦を感じてしまった。

「はっ…早くッ…」

もう、どうにでもなれ。
この熱がどうにかなるのなら、どんな屈辱的な事もしてしまいそうだ。
リクは自由にならない脚で弱々しくシーツを蹴る。

「わかった…」

返事をするなり、カイトはリク自身へ触れるとそれを上下に扱いた。
蟠っていた熱が急速に追い上げられてゆく。忙しなく胸を上下させ、リクは与えられる快
感に喉を鳴らした。

「っひ、か…カイトッ」

不意に、カイトがリクを追い詰めていた手を止める。根元を戒められ、リクは悲鳴に似た
声で抗議した。

「イきたいか…?」

どうしてこんなところでそんなことを聞くのか。リクは我慢できずに力ない声で怒鳴っ
た。

「イかせろっ」
「わかった」

リクの答えに満足したのか、カイトは身を屈めると躊躇うことなく手にしていたそれを口
内へと含む。
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