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□バレンタイン企画!!
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流石にこの荒くれギルドをまとめるだけの器だ。

「チッ…で?一体なんなんだよ仰々しく呼び出しやがって…」

セリオスに向かって舌打ちをしてから緋奄が言う。
当のセリオスは気にしたそぶりなどは見せなかった。

「あぁ、まあ聞いてくれや」

刹那は悪戯を思い付いた子供のような笑顔を浮かべる。

「巷じゃ、バレンタインだなんだって浮かれてるみたいでな」

乱雑に積み重ねられた箱の上に腰掛け、そう言いながら刹那はぐるりとその場にいる男たちを見回した。

「バレンタインってのはお前らも知ってるだろうが、女が男にチョコレートと想いを渡す日じゃねぇか?」

そんなのは小さな子供でも知っている話だ。同時に、男にとってはどれだけチョコレートが貰えるかを競う日でもある。
それが一体、なんだというのだろう。

「逆チョコ、って知ってるか?」

黙って話を聞いていると、聞き慣れない言葉。

「なんだってんだ」

面白くもない話だと思ったのは緋奄。

「逆チョコって、あれでしょ?男から送るチョコレートの事じゃない?」

朔夜が、さらりと返した。

「そう、それだ」

正解、と言うように刹那が頷く。


「で、だ!!最近仕事もすくねぇし楽しみなんてそれくらいだが、いくつチョコレート貰えるかなんて今更流行らねーと思わないか?」

刹那の話が進むに連れて、全員の緊張感がどんどん薄れていくのが手に取るようにわかった。
まさか、と思った時にはもう遅い。

「だから、ここに呼び出した全員でチョコレート作りをする」

馬鹿が、と呟いたのは誰だったか。
刹那は暇が出来るととんでもない事を言い出す癖のようなものがあるのだが、まさかこんな形でそれが出るとは、ここにいる全員が思わなかっただろう。
ある意味、下手な任務よりも質が悪い。
ここにいる、おそらく一人を除いて他三人にはそんな真似が出来るなどとは思えない。

「ふざけんな」

がしがしと頭を掻きながら緋奄が言う。

「…うるせぇ黙れ」

そう言い捨てた刹那の視線は人を一人殺せそうなくらい殺気が篭もっている。
刹那は一体何がしたいのだろうか、と全員が溜め息をついた。

「兎に角、お前らみたいなホモ野郎共はどーせ女にチョコレートなんて渡すわけねーだろうから、逆チョコじゃなくて攻チョコだ!!さっさと準備しやがれ」
「うるせぇ!!てめぇは何様だっ!!」
「俺は受チョコだ」

真剣な顔をして言うことだろうか。
しかもホモ野郎、とは…。
しかも攻チョコ、とは…。

馬鹿すぎる。

「材料は私が用意してやった。後は適当に溶かすなり丸めるなり固めるなり好きにしやがれ」

最早、レシピはないのか、と突っ込みを入れる者は居なかった。

「アーッ!!馬鹿らしいッ!!」

緋奄は何とも言い難い叫び声を上げるが、逆らった所でどんな目に合わされるかなど知れたものではない。
どんなに抵抗した所で刹那にはかなわないのだ。

こうして、刹那の独断と偏見による攻チョコ創作作戦が始まったのだった…。


















どうなる!?









20090213.>>>>>
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