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□Merry Christmas! -evening-
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唐突に話を戻さないで下さい…。
俺まだ立ち直れてないのに…。

「…ルティエ…」

ようやっとの思いで口にした俺に、琉稀はぴくり、とひそめたまゆ毛を動かした。
そのまま眉間のシワが深くなる。

「ルティエだぁ?」
「え、ダメですか…」

何もそんなに不機嫌そうな顔しなくたっていじゃないか。

「てか琉稀がどっか行きたいのって聞いてきたんじゃない。そんな嫌そうな顔するなら聞かないでよっ」

思わずそう言い返せば琉稀は急に真剣な表情になると、

「よく聞けよ譜迩」

そう言いながら俺の両肩をつかみがっちりと視線を合わせてくる。

「せっかくのクリスマスなのに、何でわざわざ年中クリスマス気取りの街に行かなくちゃならないんだ?」

……。

「わざわざ行く価値なんてないと思わない?ってか、クリスマスに乗せられてルティエとか…なんか悔しいだろ?」
「そ、そうなの?」

なんて琉稀らしい見解なんだろう。
人に惑わされないというか、踊らされなくないというか…。
確かにクリスマスにルティエに行くのはありきたり過ぎると言われればそうなんだけど…。

「そうだよ」

さも当たり前みたいな言い方されたら、納得せざるを得ない。
琉稀はまだ俺が腑に落ちない心持ちでいるのを知ってるのかどうなのかわからないけど、ふーっと白い溜め息をついて俺の腕を掴んだ。

「ちょっと露店でも見るか?」
「え?」
「お前の欲しいもんがわからないから、見に行こうぜ」
「え?…え?」
「プレゼント!何でも買ってやるからさ」
「!!」

なんで、こんな風に唐突に言うんだろうか。琉稀は、こうやって人の気を掴むことが得意なんだ。

まぁでも、プレゼントを何にしようかと悩むよりはこうした方が早いと思っているんだろうけど、欲しいものといわれても簡単には浮かんでこないよね、普通…。

「なんでも…っていわれてもな…」

困惑しながらもそう言っても、琉稀はにこりと笑うだけ。
欲しいものなんて…

「『俺』、とか言ってくんないわけ?」
「…えぇっ!?」

もし俺が水だったら、今の一言だけで蒸発してしまったかもしれない。
な、何て事をいうんだよ…。

「クックック…冗談だってww」

そうやってからかうように笑う琉稀。
もう、どうしてそうやって人をからかうのが好きなんだろう…。
いい加減嫌気がさしてもおかしくないって、頭では思っててもどうしても琉稀から逃げ出そうっていう気にはなれない自分がどうかしてるのかもしれない。
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