連載

□月光3
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琉稀は取り敢えず頭を整理しようと早々にその場を後にした。













どう考えても、『彼女』だと思っていた人物は男だ。
琉稀は暫く考えてからその事に漸く納得する。
そう言えば、遊びも何も、結構少年らしいものだった。
しかし、確認を取らなければいけなかった。これは琉稀にとっても重要な問題だ。
何せ、この答え次第で琉稀の初恋が男か女か決まるのだから。
琉稀は自他共に認めるバイセクシャルなので、男でも女でも関係ないと言えば関係ないのだが、そこはそれで知っておきたい。


大きめのベッドの上に膝で乗り上げ、すやすやと寝息を発てる人物に近寄る。
布団を剥いで、その薄べったい胸に触れた。案の定、そこには女性らしい柔らかな感触はない。

「ん〜…っ」

琉稀の下で、彼が寝返りを打つ。
確信に迫るため、下腹部にも手を伸ばした。

「……」

そこには、自分と同じ性を示すモノがある。
琉稀は納得したように息を吐いた。
自分の初恋が男であったことは、認めてもいい。だが、それが今まで女だと思っていた事がややショックだ。
しかし―…。
彼の寝顔は誰がなんと言おうとも可愛らしいものだ。
閉じられた眼を縁取る長い睫毛。
薄く開いた淡い紅色の唇。

「やべぇな…」
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