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□hate or love
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最初はただ恐怖だけだった。
アサシンが自分の欲求を満たす為だけに譜迩を利用しようというなら、譜迩が痛みに
泣き叫ぼうが、怪我をしようがお構いなしに行為に没頭すればいい話だ。
しかし、アサシンはそれをしなかった。
言葉で詰る為に、譜迩の快感を煽る様
な行為。羞恥を煽るようにただじっくりと譜迩
の体を開いていった。
耐え切れなくなるような羞恥と、快感。
否定の声を上げるたびに、アサシンはそれを詰った。

『助けて欲しいなら、『カミサマ』にお祈りしてみろ。』

『どうせ神なんか存在しないんだよ』

『聖職者の癖に淫乱だな』

否定したいのに、譜迩にはどうすることも出来なかった。


「何考えてんだよ。まだおわってないんだけど?」

ぱしん、と頬を叩かれ、目の前に焦点を合わせると赤い瞳をしたアサシンがいた。
自分はこの燃える様な赤い瞳を知らない。
かといって、あの冷えた蒼い瞳もよく知っているとはいえない。
一体、何がどうなってしまったのだろうか。


「ぁう・・・ッい、ィヤァッ!!」

しかし、思考する時間は与えられなかった。最奥まで入りきっていたアサシンが腰を
引く。引き抜かれる一瞬、引っかかった部分で腰が跳ねた。
思わずアサシンの腕に縋り付くが、アサシンはにやりと笑みを浮かべてもう一度そこを抉るようにして内部へ入り込んでくる。
恐怖を覚えるほどの衝撃。

「やっ、やめ・・・ッ死んじゃうッ!!」

助けて欲しい。
だが今縋り付けるのは自分にこの恐怖を与えているアサシン本人しかいない。
頼れるような人物は、此処にはいないのだ。
しかし当のアサシンは全く聞く耳を持たず、力いっぱい爪を立てている譜迩の腕を引き剥がすと、自分の肩へと移動させた。

「死んじゃう? じゃあお願いしなよ。『琉稀、助けて』って・・・」

言いながら、アサシンはただその一点だけをゆるゆると刺激する。
気が狂いそうになりながら、譜迩はアサシンの肩に爪を立てた。
教えられた言葉が何を意味するのか、今の譜迩には理解できない。

「た・・・ッすけて・・・っ・・・る、き・・・ったすけ、て・・ッ」

譜迩はアサシンが言ったとおりの言葉を、狂ったように繰り返した。
耐え切れない程の衝動はすぐそこにまでせまっていて、自然とつま先に力が篭ってし
まう。
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