黒の狂詩曲

□2章
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AM:8時54分



今日も燐は朝から学校にいた
まだ1時間目も始まっていないと言うのに
今にも眠ってしまいそうだ

とりあえずHRだけは起きとこ
1時間目が始まったら寝りゃいいだろ……


学生とは思えないことを考えながら
今はただ、早く時間が流れることを願った



「突然だが、転校生を紹介する」



こんな時期に急だな
担任の言葉を適当に流しながら話を聞く

窓越しで外を見れば青い空が広がる
鳥は気持ち良さそうに羽ばたき囀る……




抜け出して外で寝てぇな…

大きな欠伸を一つ。


うわ、もう…限、界


そのまま夢の世界に旅立とうと机に顔を伏せたときだった




『風峯紫音です。よろしくお願いします。』



………あ?


聞き間違えか?
うん、きっとそうだろ
今半分寝てたし、聞き間違えだ聞き間違え


ったく、どうして紫音の名前と聞き間違えんだよ俺



そう思いつつもそっと顔を上げる




「…………」



ショートボブに赤茶の髪。
そして両サイドには赤茶と異なる黒色

真っ赤な瞳


服装は他の生徒とは少し異なり、
制服の上からグレーのパーカーを羽織っている。



黒板には「風峯紫音」と白いチョークで書かれていた




唖然する


アイツは絶対学校には行かないと
強く宣言してたのが確かついおとついのことだった筈




俺に気付いたアイツは俺に軽く笑みを向けてる




……やっぱりアイツは俺のよーく知ってる紫音らしい。





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