魔法少女リリカルなのはStrikerS〜Paradise box 〜クロニクル

□第七話 恐怖の妹
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次の日、ほまれは隊長陣からこっぴどく叱られて、始末書を書かされた。逆に言えば、それだけの事で済んだのは、隊長達の優しさかもしれない。
その夜、隊舎に帰るためロビーを出て外に出ようとしたとき、ロビーのソファーに座っている隆一を見つけた。そのまま素通りしようとしたが、やはりそれはできなかった。そして、隆一の前に立つ。
隆一
「ん?…あぁ、体はもういいのか?」
ほまれ
「うん、まぁね…」
しばらくの沈黙。それを壊したのはほまれだった。
ほまれ
「あの…さ」
隆一
「何?」
ほまれ
「あ、ありがとう。助けてくれて…」
隆一
「フフ、初めてお礼なんて言われたかも」
ほまれ
「う、うるさいわね」
するとほまれは、隆一の隣にドスッと座った。
隆一
「え…〃」
ほまれ
「なによ〃」
隆一
「え〜っと…」
ほまれ
「…鳴から聞いたよ、女子が苦手だって…」
隆一
「!?…あの野郎」
ほまれ
「教えてくれたりしない?なんでダメなのかって…そうすれば、もっと…」
隆一
「それには触れないでくれ」
ほまれ
「そう…」
すると、今度はフラッと隆一の膝に倒れ込んだ。そして、仰向けになり、隆一の頬に左手を添えた。その行動に隆一の顔が赤くなる
隆一
「!?〃」
ほまれ
「こうやってあんたの顔見るの初めてかも。いつもだったらあんたの顔が見えたら、鼻とか口とか首とかに視線を移してたから…」
一つ一つのパーツをなぞりながら言った。
ほまれ
「いざちゃんと見てみると…普通に綺麗な顔じゃん…」
その言葉に一層顔のほてりが増す。
隆一
「よくもまあこんな大胆なこと出来るな…〃」
少し顔を逸らして言う。
ほまれ
「本当だね…私にもよくわかんないや…」
隆一
「なんだよそれ…」
ほまれ
「…私ね、ロストフィーバー使ってた時の記憶は曖昧なんだけど、あんたの声は聞こえてたんだ」
隆一
「あ、そう」
ほまれ
「私の事、下の名前で呼んでたでしょ?」
隆一
「ギクッ」
ほまれ
「やっぱり…」
隆一
「お前があんなこと言うから、こっちがそれなりの対応したんだろうが。なんだよ、やっぱり佐々木さんの方がよかったのか!?」
ほまれ
「ううん、ほまれでいい。…ほまれがいい。そのかわり、私もあんたの事は下の名前で呼ぶ」
隆一
「どうぞご自由に」
ほまれ
「うん…本当にありがとね…隆一」
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