魔法少女リリカルなのはStrikerS〜Paradise box 〜クロニクル

□第六話 それぞれの想いとすれ違い
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そして次の日がやってきた。午前の訓練が終盤に差し掛かった時、なのはから2on1での模擬戦が始まる事となった。まずはスバルとティアナのスターズチーム。他のメンバーは、ヴィータと一緒に廃ビルの屋上で見学となった。
ヴィータ達が屋上に着くと、そこには隆一と一樹が立っていた。
ヴィータ
「おめぇら何してんだ?」

一樹
「そんなの決まってんじゃないっすか!見学っすよ見学」
上辺だけの敬語に若干の苛立ちを見せたヴィータだが、それは一旦抑えて見えやすい位置に移動した。
隆一
「ダメだったかな?」
ヴィータ
「別に。まぁどれだけ強くなってるか見ていくのもいいんじゃねぇか」
隆一
「そっか、じゃあ遠慮なく」


それから数分後、スターズチームはバリアジャケットを展開、準備万端であった。

少し遅れて、フェイトが合流した。
フェイト
「あ、もう模擬戦始まっちゃってる?」

エリオ
「フェイトさん」

フェイト
「私も手伝おうと思ったんだけど」
ヴィータ
「今はスターズの番」
フェイト
「本当はスターズの模擬戦も私が引き受けようと思ったんだけどね」
ヴィータ
「あぁなのははここんとこ訓練密度濃いからな。少し休ませねぇと」

隆一
『何かこんな会話聞いてると、本当に置いてきぼりになってる気がするな…』
一樹
『ハッハッハ、これが十年さ!』

模擬戦が開始した。スバルはウイングロードを展開し、散開しながら様子を見ていた。そして、ティアナが動く。
ティアナ
「クロスファイアー…シュート!」
無数の光弾がなのは目掛けて放たれた。

ヴィータ
「何だかキレがねぇな」
フェイト
「コントロールは良いみたいだけど…」
ヴィータ
「それにしたって…」

飛んでくる光弾を避けていたなのは目掛けて、スバルの特攻がくる。なのははそれに対して光弾を放つ。スバルは、バリアを展開し、なんとか持ちこたえ強力な拳を突き出す。それはなのはのバリアに止められ、そのまま弾き返され、下に敷いていたウイングロードに落下する。
なのは
「こら、スバルダメだよそんな危ない軌道」
スバル
「あっと…すいません!でも、ちゃんと防ぎますから!」
なのは
「?ティアナは…」
ティアナの姿が見えなくなったので辺りを見渡す。するとビルの一角からなのはを狙うティアナの姿を発見した。

ティアナ
『クロスシフトC。行くわよスバル!』

スバル
『おう!』
スバルは再び特攻を開始した。それに対して光弾を放つが、全て避けられたため、バリアを展開しそれを防いだ。
なのは
「!?」
すると、ビルから狙っていたティアナの姿が消えた。
隆一
「消えた!?」
一樹
「幻術ね〜」

すると本物のティアナがスバルのウイングロードを伝い、なのはの上空辺りまで走っていた。そしてトリガーを二回引くと、銃口から魔力で作られた刃が発現した。
ティアナ
(バリアを切り裂いて、フィールドを突き抜ける。一撃必殺!)
ウイングロードから飛び、なのはの上空から刃を突き立てた。
ティアナ
「てぇぇぇぇい!!」

なのは
「レイジングハート…モードリリース…」
レイジングハート
「All right」
レイジングハートが待機状態に戻る。そして、ティアナの一撃がなのはに直撃し、爆発が起こった。
フェイト
「なのは!」

隆一
「なのはちゃん!」


なのは
「おかしいな…二人とも、どうしちゃったのかな?」
煙が晴れると、右手でティアナの刃を受け止め、左手でスバルの拳を受け止めているなのはの姿があった。右手には一筋の血が流れる。
なのは
「頑張ってるのはわかるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ。練習の時だけ言うこと聞いてるフリで、本番でこんな危険な無茶するなら、練習の意味…ないじゃない」
ティアナ
「!?」
なのは
「ちゃんとさ、練習通りやろうよ。ねぇ」
スバル
「あ…あの…」
なのは
「私の言ってる事、私の訓練、そんなに間違ってる?」
ティアナ
「くっ」
ティアナは刃を解除し、後ろのウイングロードまで跳んでいった。そしてなのは目掛けて銃口を向ける。
ティアナ
「私は!もう誰も傷付けたくないから!無くしたくないから!」

スバル
「ティア…」

ティアナ
「だから…強くなりたいんです!」
涙で訴えるティアナ。
なのは
「少し、頭冷やそうか」
なのはの足元に魔法陣が展開され、無数の光弾が展開された。
なのは
「クロスファイアー…」

ティアナ
「うおぉぉぉぉぉファントムブレイ…」

なのは
「シュート」

ティアナ
「!?」
光弾が発射され、ティアナに直撃。
スバル
「ティア!…バインド!?」
スバルはティアナのもとへ向かおうとするが、なのはのバインドにより阻まれる。
なのは
「じっとして、よく見てなさい」
再び光弾がチャージされる。すでにティアナは満身創痍である。



隆一
「なのはちゃん、何で…」
一樹
「まぁ見とけって」
隆一
「でも!」
一樹
「お前があれを止めてどうすんだ?あいつらはそれだけの事をしたんだ。今は頭が熱くなってんだ。冷やさせるのもまた、教官の勤めだよ」
隆一
「…でも、それでも…」
一樹
「?」
隆一
「力で解決しちゃいけねぇよ」
一樹
「…そうかい。そんじゃ御勝手にどうぞ」
隆一
「悪い」
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