魔法少女リリカルなのはStrikerS〜Paradise box 〜クロニクル

□第三話 十年の再会2
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そこに一つの助け舟が。なのはがやって来た。助け舟とは言ったものの実際は吉と出るか凶と出るかわからない。
なのは
「ほまれ、どうしたの?」

ほまれ
「あ、なのはさん。ちょっとこのバカに私の疑問に答えてもらおうとしただけです」
隆一を指差し、少しふて腐れたような口調で言った。
隆一
「あはは;」
頬をかきながら、少し困り気味の隆一。
なのは
「そっか…」
少し沈んだ顔になるなのは。
ほまれ
「なのはさん?」

すると、いつの間にかに復活した一樹が、隆一の背後に立ち
一樹
「ほれほれ、久しぶりの再会だろ?」
隆一
「おわっ!いつの間に…」
一樹
「お前にとっちゃ、ほんの数時間だったかもしれないが、あちらさんにとっちゃ十年越しの再会だぜ。何か言ってやるのが年長者の務めだぜ」
隆一
「今は俺より年上なんだがな;」
一樹
「屁理屈言うな!」
そう言って一樹は、隆一の背中を蹴った。その衝撃で隆一はなのはの前まで飛ばされた。
隆一
「あ、えっと…なのはちゃん」
なのは
「あ、はい…」
いざ再会すると言葉が出てこない。今まで普通の子供のように接してきた子が、次に再会したときには大人になっていた。言葉がでないのは無理ないだろう。それは彼女とて同じこと。十年前、突然消えた兄のように慕っていた人が、その姿のまま自分の目の前にいるのだから。

ほまれ
(…なにこれ?あんななのはさん初めて見た…てか知り合いなの?)


隆一
「あはは、なんだか不思議な感じだな〜。さっきまで九歳の女の子だったのに、今じゃ十九歳の立派な女性だ」
なのは
「あ、えっと、ありがとうございます〃」
なのはの顔が赤くなる。
隆一
「なんだか変な感じだね。今はそっちが年上だから俺が敬語を使うべきなのに」
なのは
「いえいえそんないいですよ」
隆一
「フフ、やっぱりなのはちゃんは、何年経っても変わらないね」
なのは
「そ、そうですか?」
隆一
「うん、本当に何も変わらない…」
隆一は右手をなのはの頭に乗せた。今の彼女は隆一とあまり変わらない身長で少し変な感じだったが気にせずそのまま頭を撫でた。
なのは
「はう〃」
隆一
「ただいま、なのはちゃん」
なのは
「はい、おか…」

ついに我慢の限界。ほまれが隆一に対してハイキックを食らわせた。
隆一
「ぐはっ!」
吹っ飛ばされた隆一はそのままフォワード達の前に顔から着地。
ほまれ
「あ、あんたね!な、な、な、なのはさんにな、なんてことしてんのよ!」

隆一
「えっと、頭を撫でただけ…」

ほまれ
「撫でただけ!?撫でただけですって!?あんた女子の頭を気安く触って何様のつもり!?」
なのは
「えっと、ほまれ?」
ほまれ
「大丈夫ですかなのはさん!?すみません、あのバカがとんでもないことを。安心してください、今すぐ二度とあんなことできなくするようにしますから」
なのは
「え!?」
ほまれは手をポキポキ鳴らし、隆一に近づいてきた。
ほまれ
「覚悟しなさいよ、杉!」
隆一
「それはちょっとつら…」

バキ、ボキ、ドンカッカ、ギュギュ、ドサッ

一樹
「隆一〜〜!」
動かなくなった隆一のもとへ向かい、抱き抱え、叫んだ。
一樹
「隆一しっかりしろ!隆一!りゅ…返事がない、ただの屍のようだ…」

ほまれ
「そんな訳あるか!」
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