魔法少女リリカルなのはStrikerS〜Paradise box 〜クロニクル

□第二話 十年の再会
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という訳で、室内で爆音をだす訳にもいかず、とりあえず外に出ることになった。連れて来られたのは、訓練所と称したところだった。しかし、目の前には海しかない。
隆一
「ここで訓練してるの?」
はやて
「そや」
隆一
(どうやってだ?)
そんな疑問を抱きながらも、気にしないことにした。
そして、パラダイスボックスを起動する。
隆一
「アビス、ソングモード」
アビス
「All right」
剣の姿をしていたアビスは、光に包まれ、ギターの形に変形した。
はやて
「へぇ面白い機能があるんですね」
隆一
「まぁ一回しか使ったことないけど。さ〜て、何歌おっかな…よし」
ギターの弦に指をかけ、そして、演奏を始めた。ギターの音を鳴らすと、他の楽器の音も次々になり始めた。

カルマ
BUMP OF CHICKEN

すると、建物からスバル、ティアナ、ほまれ、それに見慣れぬ少年一人と少女が二人出てきた。
スバル
「うわ〜うまいな〜。あの人ってほまれの友達なんでしょ」
ほまれ
「ち、違うよ。あれは友達じゃない」
ティアナ
「じゃあ何なの?」
ほまれ
「…ただのバンド仲間なだけだよ」
スバル
「それっと友達って言うんじゃないの?」
ほまれ
「違うの。あいつは…違うの…」
沈んだ表情で言う。二人はそこからは追求しなかった。
演奏が終わったタイミングで、スバル達は隆一達に近づいた。
スバル
「すごく上手いんですね」
隆一
「え?」
振り返ると、そこにスバル達がいたので少し驚いた。皆、感動的な視線を送るが、一人だけ違う視線を送っていた。佐々木ほまれである。ほまれは隆一を睨みつけるような視線をむけていた。
隆一
「え、えっと…何?」
ほまれ
「別に」
腕を組みながら、そっぽを向くほまれ。
隆一
「あはは…」
はやて
『隆一さん』
すると、はやてから念話がはいる。
隆一
『え、何?』
はやて
『隆一さんって、もしかしてほまれのこと…』
隆一
『うん、苦手なんだ。俺が悪いんだけどね』
そう言って、再び弦に指を添える。そして、二曲目を始める。

浮世CROSSING
UVERworld

ほまれ
「あっ」
スバル
「どうしたの?」
ほまれ
「この曲、好きなんだ」
それを言うほまれの表情が和らぐ。
スバル
「へぇ〜」
ほまれ
「あいつってさ」
スバル
「え?」
ほまれ
「あいつって、いつもみんなに本心を見せないんだ。いつもどこか私たちを拒絶してる。だけど歌ってる時だけは、本当の自分をさらけ出してる、そんな気がするんだ」
ティアナ
「そんなところに惚れたりしたの」
ほまれ
「違う!〃」
ティアナ
「フフ、顔が赤いわよ」
ほまれ
「違うの!〃」
顔を赤くしながら抗議し、再び隆一の方に向き直す。そして、その歌を口ずさんだ。
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