魔法少女リリカルなのはStrikerS〜Paradise box 〜クロニクル

□第二話 十年の再会
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隆一
「でかいな…」
ヘリコプターから降りた隆一は驚いた。屋上から下を見下ろすと、そこは大きな大学がはいるくらいの広さがあった。
隆一
「時空管理局恐るべし…」
ラーマ
「はっはっは、しかも新設だから綺麗だしね」
隆一
「たしかに」
ラーマ
「それで、これから君には機動六課の部隊長に会ってもらう。ボックス所持者はいろいろと大変でね。そこいらへんの話になるかな」
隆一
「そんなに大変なんですか?」
ラーマ
「うん、所持者の出身世界やら武器の種類、能力、その他諸々を、事細かに書かなきゃいけないんだ」
隆一
「それは…大変ですね;」
ラーマ
「イースの事もあるから君には多分、戦闘を強制してしまうかもしれないけど」
隆一
「それは大丈夫です。人を傷つける奴には、容赦しませんから」
ラーマ
「その言葉が聞けて安心したよ。それじゃ行こっか」
隆一
「はい」
二人は部隊長のいる部屋へ移動した。途中の道のりは、さほど難しいことはなかったのであっさりついた。
ラーマ
「ここが部隊長室」
コンコン
女性
「どうぞ」
中から、若い女の人の声が返ってくる。
ラーマは「失礼します」と言い、自動扉が開き中へ入っていく。隆一は後を追うように入る。
そこは、いかにも部隊長室というような雰囲気を醸し出している…という訳でもなかった。イメージでは、資料や書類などが本棚にぎっしりしていて、机にもいろいろ乗っかってるものだと思っていたが、実際は、何も置かれていない机、来客用なのであろうか長いソファー、植木や、何故か人間では使えないであろう小さな机が一つあった。
話しを戻し、部屋に入ると、女性は背を向けて座っていた。後ろから伺えるのは、茶髪で短髪というくらいである。
ラーマ
「ラーマ・クライン、戻りました」
女性
「うん」
すると女性は、回転式の椅子を、クルッと回転させ、正面を向いた。
隆一
「!?」
その姿に驚愕させられた。
女性
「その子が、No.1の所持者なん?」
関西弁で話す女性に見覚えがあった。
ラーマ
「うん、ボックスは大剣型、能力はまだ見せてもらってないんだけど」
女性
「そっか」
なぜならその女性を、ほんの数十分前に会っているのだから。いや、女性ではない。少女である。
するとその女性は立ち上がる。それでさえも隆一を驚かせるのには十分だった。なぜならその少女は、足が不自由だったからだ。
女性は隆一の方へ近づいてくる。そして、隆一の前に立つ。
女性
「時空管理局古代遺物管理部 機動六課部隊長の八神はやてです。どうぞよろしく」
優しい笑顔でそう言った。もう、肯定できる材料は全て揃った。だから…
隆一
「はやて…ちゃん?」
ラーマ
「はやてちゃん?」
しばらくはやては沈黙し、そして、目に涙を浮かべ
はやて
「お久しぶりや、隆一さん」
そのまま隆一に抱き着きそう言った。
隆一
「おっと」
もう否定材料はない。
ラーマ
「はやて!?」
だが隆一は困惑した。なぜなら先程も言った通り、隆一の知っているはやては、九歳の少女なのである。それに足が不自由で立つことなど出来なかった。だが今目の前にいる彼女は、立って歩いている。
そこで隆一は、あることを思い出した。先程ラーマが言った言葉だ。
ラーマ
『うちの部隊長は若いよ。たしか今十九歳だったかな。僕の一つ下なんだ』
十九歳。つまりそこから出される結論、それは
隆一
「十年後の世界…」
十年後。そう、隆一はあの仮面の男に十年後の世界へ飛ばされたのだ。何故。だがその思考回路は止まった。十年後、つまり目の前で抱き着いているはやては十九歳の大人。身長はもちろん、体つきも大人になっている訳で…
隆一
「えっと…はやてちゃん。ちょっと離れてもらっていいかな」
震える声で言う。
はやて
「ごめんなさい。でも、もう少しだけ…」
さらに抱きしめる力が強くなる。つまり、はやての柔らかいものが、どんどん押し当てられる形になる。それからどんどん隆一の顔が赤くなっていく。耐えられなくなった隆一は、はやての肩に手を置き、少し無理矢理引き離した。はやては、少し名残惜しそうな顔をしている。
隆一
「はぁはぁはぁ、は、はやてちゃん。えっとね、つまり…」
そこで、ラーマが隆一の言葉を代弁した。
ラーマ
「はやて、つまり彼は君の胸が自分に触れていることに困惑していたんだ」
隆一
「ちょっ、ラーマさん!?」
はやて
「あっ」
そこからはやての顔が赤く染まる。
はやて
「あ、隆一さん、えっと〃〃」
隆一
「いいよいいよ!久しぶりに会ったんだから、しょうがないよ!えっと…じゃあ、なんかボックス所持者はなにかしらやらなくちゃいけないんでしょ!それを早く済ませよう」
はやて
「そ、そうやね」
二人の慌てようにに、ラーマは小さな笑みを浮かべていた。
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