ボカロ小説

□届け
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「う〜ん……どうしよう」

そう呟く私の前には一枚の紙が置かれています。あ、ちなみに今ペン握ってます…つまり、これから手紙を書くのです!えっへん

誰に書くの?ってそんなの一人しかいないよ!もちろんレンに渡すのです!!

だって今日はレンの誕生日だから!…喜んでくれるかな、レン。

……って妄想してないで早く書かなくちゃ!でも何て書けばいいんだろう?

「いつもありがとう」じゃなんか物足りないし「今まで迷惑かけてごめん!」じゃ貰っても嬉しくないよね…。

「う〜ん…」

今日何回目かも分からない振り出しに戻る。だってしょうがないじゃん、どう書いたらレンが喜んでくれるか分からないんだもん。

でも…綺麗な言葉で飾り付けるより素直な言葉のほうがレンも喜んでくれるよね。

きっとそうに決まってる!!よ〜し、がんばるぞぉ〜!!








━ガチャッ

「ったく…誕生日のときぐらい仕事なくしてくれよ…って、リン?」

机に突っ伏して何やってるんだ?って寝てるし……。

まったく…そんな格好で寝てたら絶対に風邪ひくぞ?……寝てるから意味ないか。

はぁ…しょうがないからベッドに移してあげますか。

「どうやって連れて行くか……ん?何だろうこの紙…」

さっきは角度的に見えなかったみたいだけど、なんて書いてあるんだろう。

『ずっと一緒だよ』

紙の真ん中にリンの筆跡で書いてある…だれかに送るようで近くには便箋が置いてあった。

名前が書いてあるかもしれないと思い便箋に手を伸ばす。

「レン」

名前を呼ばれて伸ばしていた手がピタッと止まる。

リンの顔を覗けばスヤスヤという擬音語が似合いそうな顔で寝ていた。

「寝言か…」

名前を呼ばれた理由がどうでもいいことだったと勝手に決め付け便箋に再び手を伸ばす。

「ずっと一緒だよ」

再び手が止まる…しかしこの寝言は便箋を手にする必要はないと諭すもの。

つまりこの手紙はそういうことであったということ。

頬が緩む…いつもならすぐに引き締めるが、あいにく部屋には寝ているリンしかいないから誰にも見られる心配はない。

それから暫くして同じ言葉を囁く。

「ずっと一緒だよ、リン」
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