BLEACH/短編
□キミが好き
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隣の席の子は一時間目からぐっすり眠ってる。
よくばれないなぁ…。
なんて考えながらまた見つめてる。
この頃見つめる事が多くなった。
「じゃあ次、名字!…ん?」
「はい!」
「何だ、隣のやつは寝とるのか」
「へ!?」
「…黒崎だな」
今度はぐっと眉間に皺が寄る先生の顔を私は見た。
この先生は結構怖くて、居眠り何てもっての他、絶対に許してくれない。
「せ、先生!で、問題解いたらいいんですか?」
「ん?あぁ…それよりくろ…」
「はーいわかりました!X=3!」
「…違うだろ、ここはだなー…」
そう言ってもう一度解説をする先生。
私はわざと間違えたから聞かなくても大丈夫…なはず。
先生が黒板にグラフを書きながら話している隙に起こそうとした。
「く、黒崎くん!起き…」
「もう起きた」
「!!!!」
パチッと目を開けて私を見たのは私の想い人…
黒崎一護。
オレンジ色の髪をガシガシと乱暴に書きながら小さくあくびをし、黒板を見た。
先生は一瞬驚いた顔をしてから私を見た。
黒崎くんが起きてたのに驚いたんだろう。
「で、名字、答えは?」
「え、X=5?」
「はぁ?5?5って言ったか?」
……………。
違ってたーーー!!!!!!
自信あったのに!!
自分のノートを見て見直してもわからない。
どこでミスをしたのかが…
今から解き直したんじゃ確実に間に合わない。
「8。8っつった。名字は」
「聞き間違えか。すまんな名字」
「い、いえ…」
「じゃあ、次の問題の───」
確かに私は5だと言った。
なのに黒崎くんは合っている答えを言って、誤魔化してくれた。
チャイムが鳴り、授業が済んだ。
お礼を言おうと横を見るとそこには誰もいない。
放課になっていなくなってしまったのだろうか…
すると後ろから腕が伸びてきた。