黒バス/長編/今吉 T

□第7話
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先輩に話をした後、さつきには遅いことを叱られたものの、そのまま寄り道をしてさつきと二人で雑貨屋にいた。

久し振りに買い物をすることが出来るので二人ともテンションが高い。
変なキャラクターのキーホルダーを見つけて騒いだり、変な帽子をかぶって笑ったり。

店からしてみたら学校帰りのテンションの高すぎるうるさい高校生とでもみられてるのだろうか。



「あ、名前、これよくない?」
「…何この変なトカゲ」
「違う!…この小さいネコとかだよ」
「あ、こっちか」



さつきがしゃがんで指差したそれは銀色の色々な形をした小さなキーホルダーだった。

ハート、星、イヌ、ネコ、鳥、蝶。
他にも沢山の形のキーホルダーがあった。
その各々に石が埋め込まれていて、その石の色も赤、青、黄色など沢山あった。



「ねぇ、二人で買わない?」
「おっいいねぇ…何にしようか」
「んー…ネコにしよ!石はー…」



さつきは水色の石のついたネコとオレンジ色の石のついたネコを手に取った。
薄い水色の石は誰かの髪色を連想させた。
…テツだ。



「水色のやつテツみたい」
「でしょ!」
「狙ってたんかい」
「でもオレンジは名前っぽいからオレンジにしようかなぁって」



しゃがんでいたさつきは私を見上げながら笑って言った。
…めちゃめちゃ可愛いんだけど。
頭をグリグリしてやった。



「可愛いこと言うなぁアンタ!よしよし」
「よし、オレンジ買う。で、水色はあっちに石があったから石買う」
「マジか」
「名前は?」
「決まってんでしょ、桃色」



そう言いながら棚にある桃色の石のついたウサギを手に取った。
さつきの髪の色よりは薄いけど、さつきと言えば桃色でしょ。

私が何でオレンジかは知らないけど。



「あ」
「?」
「今吉先輩」
「どこ?」
「違うよ、お礼に何か買った方がいいかなって」



キョロキョロと周りを見てみるものの、この雑貨屋には可愛いものが多いから男子が持つには厳しい。

レモンジュースもシュークリームも貰ってしかも話まで聞いてもらった。
ただで済ませる訳にはいかない。



「他の店行く?」
「んー。でも時間ないしなぁ…」
「何か探してみたら?私まだ色々見てるから」
「ん」



その場を去り、ブラブラと歩いてみる。
けど、やっぱりいいのがなくて、どうしたものかと困る。

ふと足を止め、あるものが目に止まった。
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