黒バス/長編/今吉 T

□第2話
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はれて桐皇バスケ部マネージャーとなった私は只今スポドリをせっせと作っています。
だいぶマネさんの仕事にも慣れてはきたけどこれはしんどい…。
学校にあるウォータークーラーから水をくんで運ぶ。

作り終えたスポドリをカゴに入れて持つ。
しかもカゴ×2。



「…腕取れるよこれ」



ガタガタとカゴの中で揺れるスポドリ容器は全てにしっかりとスポドリが入っているため重い。
マネージャーって意外と大変な仕事だな…。

そうやって歩いていれば雑誌を手にした大輝に遭遇した。



「何してんのアンタ、練習は?って…出るわけないか」
「わかってんなら聞くな」
「少しは練習したら良いのに…」
「っるせぇ」



目をそらさないままキッと睨んできた大輝にいーっと歯を見せて対抗してみたけど、「不細工」と聞こえたのと同時に雑誌が頭に降ってきた。

ベーッと舌を出してふと手に持った雑誌を見れば水着のお姉さんが。
またなんちゃらとか言うお姉さんの写真集か。



「またエロ本か」
「堀北マイちゃんだよ」
「知るか変態。ってか半分持ってよ重いから」
「はぁ?」



視線を私の足元へ移してスポドリ容器の入ったカゴを見る。
これまた凄く興味無さそうに視線を送ってからため息をつきながら私を見た。



「…たく、いつまでたってもひ弱だな」
「うっさい、私は女の子なの」
「しっかたねぇなぁ持ってってやるよ」
「本当!?ありが…」
「とでも言うか、バーカ。じゃーな」
「…馬鹿大輝!!!!!」



ヒラヒラと手を振りながら歩き去ってしまう大輝に石でも投げてやろうかと振りかぶったが、回りに人がいたので許してやった。
次鞄持ってけ言われたらその辺に置いてってやる。

そんなことを思いながらスポドリを持ち上げ立ち上がった。
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