黒バス/長編/今吉 T

□第1話
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―――――4月
朝から嫌な夢を見た。
中学の時の 嫌な夢。
背中に嫌な汗を少しかいていて頭を振った。

いまだにトラウマになっている中学の先輩。
どうして新しく高校生活を送ろうと意気込んで嫌な夢を見るのか…。
目覚めが最悪な私はもう一度寝てやろうと布団に潜り込んだ。



「名前ーーー!!!!!」
「ぐほぁっ!!」
「朝!!学校!!入学式遅刻するよ!!」
「…おも…ぃ…」



何が乗ったのかと布団から顔を出せばさつきが私が中に入っている掛け布団にダイブしていた。
低血圧で朝は寝起きがめちゃくちゃ悪い私は、いつまでたってもさつきに起こされる。



「起きて!!ほら!!」
「だってぇ…あと5…分…」
「起きなさい!!!!!あっ」



布団をひっぺがされて首の辺りのパジャマを引っ張られる。

首、首絞まってる。
ヤバい、何コレガチじゃんめっちゃ絞まってるよ何コレ。



「起きろバカ」
「だ…大輝…アンタか…ぐぇっ」
「お前俺より寝起き最悪だな」
「何でアンタがいんのよ…」
「さつきに連れてこられた」
「大輝絞まってる、首きまってるからやめ…ぐぇ!!」



さらに引っ張られて床に落とされた。
女の子に何て対応しやがるんだこいつ。
いつか同じ目に合わせてやるから覚えとけ。



「早く準備しなよ!!初日から遅刻するよ!!」
「え、ヤバッ!!」



ガバッと起き上がり急いで支度を…したい。
早く支度をしたい。



「大輝、アンタ何してんの」
「あ?」
「早く出てってよ」
「何でだよ」
「着替えられないから」
「…別にお前に何も期待してねぇよ」
「はぁあぁぁあぁあ!!!!?そんな話してないでしょ!!女の子が着替えるんだから早く出てよ!!」
「…ハッ」
「…アンタ今絶対バカにしたでしょ」
「女なんかいねーよ」
「だ、大輝ぃ!!!!!」
「ちょっと名前準備!!」



椅子から立ち上がりヒラヒラ手を振りながら部屋を出ていく大輝を追いかけようとしたらさつきに止められた。

アイツのせいで無駄な時間を過ごしてしまった。

急がねば。
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