拍手log
□バレンタイン
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「何よ」
「ん?」
「何」
「別に?」
「…ハァ」
そう溜め息をついて私は目を伏せた。
同じように顔を伏せた涼太の黄色い髪がサラサラと揺れる。
珍しく放課後に勉強しよう何て言ってきた涼太は何だかんだ手についていない。
せっかく部活が休み何だから帰ろうと何度も言ったのに「嫌っス」の一点張りだった。
「あんた何も進んでないじゃない!」
「わかんないんスよ」
「…ハァ。どこ」
「ここ!」
嬉しそうにるんるんしながら問題を指差す涼太はニッコニコ。
私はイッライラだバカ。
それはもう基礎中の基礎で。
公式を教えてやっても何でこの公式を使うと答えが出るのか、何て聞いてきた。
「今日の授業聞いてた?」
「聞イテマシタ」
「………」
「聞いてません」
「よろしい」
そう言ってまたシャーペンをノートに走らせる。
私を暫く見つめてから涼太もノートに目線を落とした。