BLEACH/短編

□school life
1ページ/5ページ

朝学校に着き、駐輪場にやっとたどり着いた。

学校までの長い道のりが苦で苦でしかたない。

今日もまた、暑い1日が始まる。

私は自転車を止めてカゴから鞄を出そうと手を伸ばした。



「名字!」
「!?」



振り替えると…
ギラギラ光る太陽の光を沢山浴びた想いを寄せる彼の姿。



「っはよ」
「あ…おはよ」



スタスタと歩いて行ってしまう彼をしばらくボーッと見つめていた。

黒崎くんは同じクラスの男の子で…
一部の人には怖がられてるけどとても優しくて…
ほとんど話したことが無いけどどうしようもなく好き。



「名前!名前!!」
「ふぁい!!!!」
「ふぁいじゃない、行くよ!」



友達にグイグイと腕を引かれて歩き出す。

自分の世界からやっと抜け出し、友達と話しながら教室へ向かう。

教室に着き、自分の席である黒崎くんの隣の席へ。

黒崎くんは浅野くんと話していて席には着いていない。

チラチラと見詰めるだけで精一杯な毎日で、とても楽しくお喋りなんかできない。

机に突っ伏しふて寝。

いつまで同じ毎日を繰り返すのかなぁー…。

もう少し楽しく話せたらとかもう少し沢山話せたらとか…。

想いは募るばかりで一歩も踏み出せない。

黒崎くんと話せるみんなが羨ましい。



「…浅野くんはいいなー…」
「何がいいんだ?」
「だってさ、明るく楽しそうに話せるから羨ましいじゃん」
「何が明るく楽しそうに?」
「黒崎くんと」
「俺?」
「…!?」



バッと顔を上げるとキョトンとした目がこちらをジッと見つめていた。

黒崎くんはとっくに席に着いていて、私の隣にいた。



「俺?」
「うっ…」
「?」
「あの…何でもないです…はい…」
「??変なやつ」



黒崎くんは小さく笑って前に向き直り、先生の話しに耳を傾けた。

てか先生いつ来てたの…。

朝のホームルーム何て頭に全く入ってこない。

ただうつ向いて恥ずかしさをこらえるばかりだった。

昨日の席替えで黒崎くんと隣になれて…。

やっと話ができるのに…。

意気地無しな私は1日をいつも通りに過ごしてしまった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ