黒バス/長編/今吉 T

□第3話
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やっとお昼になって購買へ行き、適当に選んで教室に戻った。
さつきはいたけど大輝はいなかった。



「あれ、大輝は?」
「さぁ?」
「ふーん…あ、これ美味しい…」
「名前ちゃん、あの…」
「むー??」



同じクラスのあまり話したことが無い子に話しかけられた。
パンを口にくわえたまま振り替える。



「ふぁふぃ(何)?」
「何じゃなくて口にメロンパンくわえながら話さないの」
「ふぁふぃふぁふぉお(何か用)?」
「3年生の男子の先輩が呼んでるよ?」
「…ぶふぉっ」



今吉先輩がこっちを見てお腹抱えて必死に笑いをこらえていた。
メロンパンほおばった私の顔がそんなに面白いのか携帯で写真を撮ろうとしていた。

慌ててくわえていたメロンパンを口から離して先輩の元へと走った。



「自分食うてばかりやんか…くくっ…リスみたいやったで」
「い、今はお昼ですもん…」
「あ、せやせや。これやるわ。さっきの礼。じゃっ」
「へ?…あ、先輩!」
「また部活でー」



ヒラヒラと手を振りながら歩き去ってしまう。

手の中にあるのは購買で買ったと思われるシュークリーム。
…クッキーとグミだけでやけに律儀だな…。



「ただいまー」
「え、何そのシュークリーム」
「先輩にもらった」
「…今吉さん?」
「うん。律儀だねー。デザートに食べよう、そうしよう」



さすがにもらいすぎだこれは。
レモンジュース…も貰ったし今のシュークリームもそうだし。

何か部活の時に渡した方がいいかな…。



「何かお礼した方がいいよね」
「うん」
「…さっきから何でそんなに楽しそうなの」
「さぁー?そう?」
「おめめがめっちゃキラキラしてますよさつきさん」



パンの袋を丸めてゴミ箱に投げ入れようと振りかぶり投げた。

しかし通りすがった見事桜井くんの頭にヒット。



「あ」
「す、スイマセン!」
「え、いや私がごめんなさいだから!!ごめ…」
「スイマセン!スイマセン!スイマセン!!」



袋を拾ってゴミ箱に入れ、ペコペコあやまる桜井くんに悪い気もしたけどあまりにもしつこいから「やかましいっ」と大輝の筆箱を投げてやった。
そしたらいつの間に帰ってきたのか、後ろに立ってた大輝に頭を叩かれた。



「腹へった」
「…弁当は」
「食っちまったよもう」
「まったくアンタは…言うと思ったわ。ん、あげる」
「…何だこれ、抹茶か?…!!」



ガサガサ袋を開けて不思議そうにしつつも緑色のパンをほおばる。

次第に眉間にシワを寄せてむせてから私を睨んだ。
私が「ん?」っと聞き返したらパンを私の口に押し込んだ。
…てかこれマズッ!!



「んだこれ!!まっじぃ!!!!!」
「…おぇっ、何これマズッ!!何の味よ!!」
「え、買った名前も何かわからないの?」
「抹茶かと思ってた」



わざわざお金出して買ったのに不味いとか最悪だ。
でも買った手前食べるしかない。
大輝は勝手に私のクリームパンを持っていってしまったし、私も満腹ではないから泣く泣く食べた。

何味かわからない緑色のパンを胃に詰め込み、さっきもらったシュークリームを食べようと袋を開ける。



「おい名前、何だよそれ」
「?シュークリーム。あげませんよ」
「一口よこせ」
「バカかアンタの一口はデカイからだめ」
「よこせって」
「ちょっ!!クリームパン食べたでしょアンタ!!いたっ離してよバカ大輝!!」



腕を掴んで意地でもシュークリームを奪おうとする。
…渡してたまるかぁあぁぁあぁあ!!!!!!!!!!

大輝の後ろを指差せば大輝は振り替える。
バカめ。

振り返った隙に走って逃げたけど直ぐに捕まった。

後ろから私のお腹に手をまわして私を捕まえてシュークリームを狙う。



「離せバカ」
「よこせバカ」
「さつき助けて大輝に襲われr」
「てめぇじゃねぇよシュークリームだっつの」
「青峰くんいい情報教えてあげるから名前離してあげて」
「…?なんだよ」



怪訝な顔してさつきを睨み付けて静止する大輝。
さつきはいい情報いい情報とか言ってそこから話さない。
大輝も譲らず何だよと聞き返す。

そんなやり取りを横目に私はシュークリームを食べ終えた。



「大輝離して」
「だからよこ…!!…てめぇ食いやがったな…」
「シュークリームは私のよ」
「良ー、3つ買ってこい」
「す、スイマセン!!」



桜井くんはダッシュでシュークリームを買いに行った。
さっきのまっずいパン買ってきたら良いのに。

そんなことを呟いたら大輝はさつきに情報よこせと騒いでいた。
堀北マイちゃんがなんちゃら言ってたけど。

しばらくしたら桜井くんは戻ってきた。
買ってきたシュークリームを今度は私が強奪して食べてやった。
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