BLEACH/短編

□merry X'mas
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「さっっっむ!!!!!!!!」



冬の寒さを舐めてた…。
まさかこんなに寒いとは…
おまけに走ったせいで汗かいて…
それがまた寒い。

そしてまさかの雪が降る。
ホワイトクリスマスなのに全く嬉しくない。



「あー…寒い。寒すぎるよこれ」



どうせ部活のない人は家でぬくぬくしてるんだ。
カップルはイチャついてんだ。
やり場のない怒りにまた私は「寒いー!!」と叫んだ。

寒いし
クリスマス1人だし
好きな人には会えないし

クリスマスなんて…
クリスマスなんて…



「クリスマスなんかの何がいいのよもう…」



寒い
寒い
寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い………



ピトッ
「あっっっつ!!!!!!!!」


頬に走った刺激に私の体ははねあがった。

寒さで冷えきった頬にいきなり熱い物をひっつけられたようで、かなり熱く感じた。

後ろを振り替える。



「なっ…」
「よっ」
「一護…何で…」
「補習受けてたんだよ、授業サボりまくったから」



サボったって言ったっけど虚の退治だって私は直ぐわかった。

少しぽけーっと一護を見ていたら、眉間の皺が更に3割増しぐらいに皺がまた更にグッと寄った。



「何だよ」
「や、何もでございます」
「はぁ?」
「てか何引っ付けたの私の頬に」
「これ」



また私の頬に引っ付けて遊んでんのか嫌がらせしてんのかわからないけども、コーヒーを引っ付けた。



「あっっっつ!!!!」
「なんだよ」
「熱い通り越して痛いわっ!」
「何だよ、寒い寒い言うから引っ付けたのに」
「何それ…」



はぁ…と呆れて私はまたブルッと震え上がった。
さすがに寒気がしてきた。



「私も何か温かいの買ってこよ」
「やる」
「え?」
「寒いんだろ?やる」



何でか顔を反らしてコーヒーを差し出す一護。
一護とコーヒーを交互に見ていたら一護がズイッと腕を伸ばした。



「…ありがとう…」
「じゃ、これクリスマスプレゼントな」
「はぁ!?安くない!?」
「文句言うならやらん」
「凄く欲しいですありがたいですありがとうございます」
「ん」



そう言って門の横の煉瓦に腰を降ろした。
私もその横に座って缶を頬に引っ付けた。

一護はポケットからもう1つ缶を出してそれを開けて飲んだ。

甘い匂いが鼻を掠めた。



「何だよ」
「それ、ココア?」
「悪いか俺がココア飲んだら」
「別に?」
「…お前コーヒーよりココアがよかったとか思っただろ」
「なっ、そんな失礼なこと思いませんー!!」
「へいへい」



そう言ってココアを飲む一護の横で私はコーヒーを頬に引っ付けたままでいた。

冷えきった頬にはとても効果は抜群で、どんどん温まってくる。



「飲まねぇの?」
「まだ熱くて飲めないよ」
「あっそ」



なんだかさっきから素っ気ない気がして少し寂しい。

寒い中でココアを飲んでるからか一護の頬は少し赤かった。
鼻も少し赤い。



「そういえば一護何してんの?」
「はぁ?だから補習だってさっき…」
「違う、今よ今。何で寒い中ここにいるの」
「………」
「?」
「…気が付いたらわかるって」
「は?何に」
「それに気がつけ」



そう言ってココアをグイッと飲み干した。
銀色の色をしたコーヒーの缶を頬から離し、そろそろ飲もうかなと思った。
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