連載

□リング1
1ページ/3ページ


私には想い人がいた。
いや、過去形じゃなくて現在進行形かも。
だげど彼は・・・


「ちょっと聞いてほしい話があるんだが」


心臓がはねた。
彼・・・男鹿に話しかけられるだけで顔は熱くなって心拍数は上昇する。
うまく言葉も出ないし、まともに顔も見れない。
だけど彼は鈍感だから先に話を進めるのだ。


「あいつに・・・何をやったら喜ぶかな?」



固まった。
全身が石のように固まって、ギギギと音をたてながら男鹿を見た。
男鹿は頬をかきながら、どこか照れくさそうにしていた。


「ヒルダ、さんに?」
「おお、よくわかったな」


よくわかったな、じゃないわよ。
わかりやすすぎよバカ。


「といあえず行こうぜ」
「は?ちょっ・・・!?」


そして男鹿は私の腕を掴んで、教室を出て行くのだった・・・















「で、何がいいんだ?」


あまりにも堂々と言うもんだから、思わずため息がでた。
どこまでえ無計画なのよ・・・


「邦枝?」
「え?あ、そうね・・・」


侍女悪魔のヒルダさん。
悪魔である彼女は時々突拍子もないことをするけれど、今じゃ人間界になじんでいる。
特に変わったものをあげなくても大丈夫ではないだろうか?


「一応ヒルダに聞いてみたんだけどよ」
「え?聞いたの?」


なんだ、それなら話は早いじゃない


「ご飯くん、だ」
「・・・・・・・・・・え?」


今、なんて言った?
ご飯・・・くん?


「な?意味わからんだろ?」
「うーん・・・」


なぜご飯くん?
あ、もしかして、


「ご飯くん“グッズ”が欲しかったんじゃないの?」
「そう思って聞こうとしたら逃げられた」
「あ、そう・・・」


あまりの情報の無さに頭が痛くなった。


「といあえず店に行ってみて、何かよいものがあれば買いましょう」


先に進まないし、ヒルダさんも特に何も言ってないし。
そして私たちはご飯くんグッズを取り扱うショップへと入るのだった・・・。















次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ