連載

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「はあ・・・」

結局あの2人は仲直りできたのかしら・・・
でも、勘違いのままじゃ心が痛いもの・・・

「おはようございます姐さん」
「あ、おはよう寧々・・・」
「どーしたんですかため息ついて」
「いえ、なんでも無いの・・・」

まさかこんなことで悩んでるなんて。
多分寧々なら「男鹿を殴りにいきましょう!」なんて言い出しかねない。
さすがにこれ以上ややこしくするのも嫌なので絶対に秘密だ。

「行きましょう・・・」
「は、はい姐さん!」


























































「え・・・」

とてつもなく重たい足で教室に行けば、想像してたものと全く反対の事が起こっていた。

「おい、いつまで拗ねてんだよ」
「・・・・・・」

え、どういうこと?

「あ、姐さんおはようーっス」
「お、おはよう・・・あ、それよりあの二人は」

どうなってるの?なんで黒いオーラがヒルダさんから出てるの?

「なんか男鹿っちが浮気してヒルヒルが怒ってるみたいなんっス」
「浮気してねえ!!」

でも確かに、ヒルダさんの機嫌は直ってなかった。むしろ険悪?

「ちょっと男鹿!ちゃんと説明したの?」
「それが説明しようとしたらこいつ逃げて・・・って待てよヒルダ!」

話の途中、ヒルダさんは踵を返して走っていった。
男鹿はそれを追いかける。

「何があったんスかね」
「・・・」

原因を知っている分、申し訳ない気持ちになった。

「はあ・・・」

もう、男鹿は何してるのよ。


































「じゃあ邦枝、行くか」

その後、男鹿は教室に帰ってきた。
もちろんベルちゃんと一緒に。
しかしそこに・・・ヒルダさんは居なかった。

「え、ええ・・・」

う、視線が痛い。
男鹿とヒルダさんが喧嘩しているシーンをみんな見てるから、今の状況がみんなにとって好奇なのだ。

「おおっ、ついに男鹿っちとくっつくっスか!」
「ちょっと由加!葵姐さんに限ってそんなこと・・・!」
「かわいい・・・」

それぞれ反応は違うが、それでも痛い。
しかし男鹿はそれが気にならないのか、早く行こうぜ、なんて言ってるし。

「それじゃあみんな、また明日」

一部はニヤニヤして、一部は顔を赤くしてるのを見ながらも、男鹿の隣へ。
憧れの男鹿の隣。
ヒルダさんではなく、この私が。
嬉しい、はずなのに。


素直に喜べない自分がいた。

















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