連載
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「・・・」
やっぱり邪魔よね、あの男・・・
人間界の“高校”に通い始めて早3日。
ヒルダと同じ教室で、机を並べてお勉強(まともに授業を受けるのは少数派のみ)
侍女悪魔の学校で肩を並べていたが、あの時はいろいろあったから。
今はそんなしがらみも無いから、素直にうれしい。
気になるのは、ヒルダの隣にいるあの男だが・・・
「あ、そうだ♪」
いいこと思いついちゃった。
「ねえ、今から暇な人いるかしら」
放課後、帰る支度をする石矢魔連中に、私は一つ提案をした。
「ここにすごく面白いゲームがあるんだけど・・・しない?」
これは一種の賭けだ。
食いつかなければ、また新しく考えなければならないが。
「何スかそれ」
「そうね・・・一種のロールプレイングゲームよ」
ふーん、と食いついてきたのが、頭に花のピンをつけた、みるからにアホの子が、まじまじとみつめた。
そして、(意外に)ゲーマーな黒髪おかっぱ頭の子が、ソフトをみつめた。
「普通のとはもちろん違うわ・・・これは実際にゲームの中に入れるの」
「ええ!!マジっすか!」
おおっ、とざわつき、わらわらと集まる石矢魔連中。
ふふ、いい感じね。あとは・・・
「どう?男鹿もしない?」
興味なさげにして帰ろうとする男鹿と、後ろに控えているヒルダにを指さした。
男鹿はゆっくりふりむき、わざとらしくため息をついた。
「誰がするかよ」
む、これは男鹿がしないと意味がないのに。
「あら、負けるのがこわいのかしら」
「・・・なんだと?」
ピクリ、と反応した。
あと、もうひと押し。
「そうよね、負けることがわかってする人なんて居ないものね」
「俺が負けるわけねえだろ。上等だ、やってやろうじゃねえか」
「おい男鹿」
後ろでヒルダが抗議の声を上げるも、男鹿は聞いちゃいなかった。
やった、引っかかった!
これだから単純って簡単なのよね
「じゃあ始めるわね」
「え、今からって・・・」
誰かが驚いた。
しかしソフトカバーを開けた瞬間、教室全体が光に包まれるのだった・・・