連載

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「チョー似てるっす!パネェ」

そう最初にいったのは邦枝のところの・・・

「うるせえぞパー子」

そうそうパー子・・・て違う!そういう話ではなくて。

「なんでいんだよ・・・!」
「ヒルダのために決まってるじゃない」

きっぱりと言い切りやがった、こいつ。
というか、どうやって入ったんだよ・・・

「覚悟しなさいよ、男鹿・・・絶対にヒルダは取り返してみせるんだから!」

おお!?とどよめきが起こった。
というか何この構図!

「というわけで男鹿」
「・・・なんだよ」
「そこ、どきなさいよ」
「はあ?」

来て早々、何言ってんだこいつ。
しかしヨルダは本気で言っている。
余程ヒルダの近くにいたいのだろう。
・・・だがこう言われるとどきたくなくなるのが俺、というわけで。

「絶対嫌だ」
「どきなさいよ」
「嫌っつってんだろ」

どんどん白熱する俺らに割って入ったのは古市だ。
しかしぎろりと睨まれ、思いっきり萎縮するのだが。
そして結局、

「・・・まあいいわ。ここで我慢してあげる」

ドカリとヒルダの席の隣の席に座るヨルダを睨みつけた。
・・・余談だが、メソメソと泣きながらお決まりのセリフをいう下川がいたとか。

「よろしくね、ヒルダ」
「・・・・・」

ああ、嫌な予感しかしない。
というかものすごい勢いで睨まれてるんだが。















「・・・はあ」

つ、疲れた・・・
何なんだ、ヨルダのやつ。
全然ヒルダと話せねえ、というか視界にも入れさせてくれない。
見れたとすれば、ヒルダの後ろ姿。
はあ、とため息をつけば、ヒルダが振り返った。

「・・・すまぬな」
「別にいいよ」

本当はよくは、ない。
俺だってヒルダと話したり、触れ合ったり、したい。
けどヒルダとヨルダは姉妹だし。
それにこうして少しでも話せるから良いのではないか?
不思議と心も穏やかになる。

「な〜に見詰め合ってるのかしら?」

・・・邪魔が入ったか。

「ヒルダ、今日は駅前のカフェに行きましょうね」
「え!ちょっ・・・!」

そして瞬く間にヒルダの腕をつかみ、外に出て行った。
俺が掴まえる前に。

「ダー・・・」

行かなくていいのか?
とベル坊が目で訴えかけた。

・・・分かっているよ、そんなことを。

「行くか、ベル坊」
「ダッ!」

ベル坊を頭に乗せて、目指すは金髪侍女悪魔。




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