小説

□視線
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*レイア視点
視点の先に、頬を染めた幼なじみと首を傾げる大精霊。

……見てて飽きないな、あの二人。

大方、幼なじみが遠回りな誘い文句を言って大精霊が天然発言で返して会話が微妙に成立してないのだろう。


「……青春だねぇ」
「な〜に親父クサイ事言ってんの」
「きゃあ!……あ、アルヴィン…」
「うわ、傷つくわー」
「だっていきなりすぎるよ」


気配を隠されて、しかも意識はジュードとミラに向かっていたのだから仕方ない。
抗議するとアルヴィンはひとつ息を吐いて二人の方に視線を向けた。


「ま、見ててヤキモキするけど」
「でしょ?本当ジュードは男らしくないんだから」


そんなつもりで育てたわけじゃないんだけどな、とため息をつく。


「いや、レイアちゃんは育ててないでしょ」
「ま、そうなんだけど」


それでも、今まで一番近いところでジュードを見て、一緒に成長してきた身としては言っておきたいところだ。


「…まには……み……よ」
「ん?」
「ん、こっちの話。あ、優等生とミラ様が消えたぞ?」
「え?嘘!?」


アルヴィンに言われて見れば、そこには誰も居なかった。
アルヴィンが何か言ったような気がするが、すっかり意識はジュードとミラを探す、ということに集中していたため、アルヴィンの真意を図れるのはまだまだ先の事になったのだった………














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