小説
□願い
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いやいやいやいや、無いよ!
これは無いって!
そう、これを例えるならば、
男鹿が菩薩さながらの笑みを浮かべたり、
ヒルダさんがベル坊をぞんざいに扱ったり…
そのくらいあり得ないことなんだよ!!
だけど……
うわ、髪の毛柔らか…
自分のベッドで寝てる少女の髪をすく。
予想外の柔らかさにちょっとくすぐったい気持ちになる。
……この少女、ラミアを受け入れてるのが信じられなかった。
“女好き”は公言しているが、範囲はそこまで広くはない。
もちろんラミアは範囲“外”だった……
最初は。
今じゃどうだ。
無断で自分のベッドを使われてるのに、少しも腹が立たない。
逆に会えて嬉しい、なんて思えてしまう。
あー……早く大人にならねぇかな。
お互い子供で。
しかもラミアは見た目が幼い。
……これじゃ犯罪と言われる。
だけど、もし大人だったら?
このくらいの年齢差、大丈夫だろ?
……我ながら、何を考えてんだ。その前に魔界に帰るだろ。
しかし願わずにはいられない。
この少女と……
決して知られることは無い願いを未だ眠る少女に願う男だった。