小説

□赤違い
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「何を怒っておるのだ」
「はぁ?自分の胸に当てて考えるんだな!」
「意味がわからぬぞ!」
「そんなの付けやがって!」



………何なんだ?




その日はいつもと変わらない1日、だったと思う。
なのに男鹿は不機嫌そのもので表情が険しい。


思いあたる節もなくチラリと男鹿の方を見ると、未だに表情は険しいままだ。


「………」
「っ!おい……!」


手を伸ばすが時既に遅し。
無言のまま部屋へと行ってしまった。












******




























本当に何だ、あいつは……



何か不機嫌になることでもしたのだろうか…と1日を振り返る事にする。

昨日と特に変わりはないが…

そういや朝の機嫌はどうだったか?……普通だな。

今日は珍しくミルク忘れもなかったから学校には行ってない。

学校で何かあったのか?
……いや、あれは私に対して怒っていた。

じゃあ何だ?

帰ってきてから……


「ただいま」
「ダーブッ!」
「おかえりなさいませ、坊っちゃま」


……うん、ここまでは普通だった。

それでリビングに行こうとしたら……


「ふざけんなよ、てめぇ…!」


急にキレて冒頭の流れとなる。



……本当、分からない。
挨拶を交わしてすぐの間に何があったのだ。














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