小説
□赤違い
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「何を怒っておるのだ」
「はぁ?自分の胸に当てて考えるんだな!」
「意味がわからぬぞ!」
「そんなの付けやがって!」
………何なんだ?
その日はいつもと変わらない1日、だったと思う。
なのに男鹿は不機嫌そのもので表情が険しい。
思いあたる節もなくチラリと男鹿の方を見ると、未だに表情は険しいままだ。
「………」
「っ!おい……!」
手を伸ばすが時既に遅し。
無言のまま部屋へと行ってしまった。
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本当に何だ、あいつは……
何か不機嫌になることでもしたのだろうか…と1日を振り返る事にする。
昨日と特に変わりはないが…
そういや朝の機嫌はどうだったか?……普通だな。
今日は珍しくミルク忘れもなかったから学校には行ってない。
学校で何かあったのか?
……いや、あれは私に対して怒っていた。
じゃあ何だ?
帰ってきてから……
「ただいま」
「ダーブッ!」
「おかえりなさいませ、坊っちゃま」
……うん、ここまでは普通だった。
それでリビングに行こうとしたら……
「ふざけんなよ、てめぇ…!」
急にキレて冒頭の流れとなる。
……本当、分からない。
挨拶を交わしてすぐの間に何があったのだ。
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