小説
□夫婦の時間
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あいつの関心事は目下ベル坊の事である。
だからなのか、それ以外はかなり手厳しい(何故か俺の家族には優しいが)。
だから余計な心配しないで済んだ。あいつは他の男に靡かないと思ってた。
だけど……
「さぁ坊っちゃま。ミルクでございます」
「だぁーぶっ」
「美味しゅうございますか?」
「だっ!」
この疎外感はなんだ。
ヒルダがベル坊にミルクをやってる、ただそれだけじゃねぇか……
…………
「何をしている」
「お前、ベル坊に構いすぎ」
「当然だ」
「俺にも構え」
「断る」
「……」
うわ、俺めっちゃ傷ついた、かなりのダメージかも
てゆか、抱きついてんのにこの落ち着き様。
俺、意識されなさすぎだろ……
もういいや、寝よう…
ベル坊あやしてるヒルダ見たくないし……
ベル坊だけ、っていうのも案外考えものだな……
そして俺はフラフラとベッドに歩を進め、盛大な音を立てて寝転がるのだった。