小説

□白の中の紅
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こんな会話を聞いた。


「“アレ”はマジで美人だよな〜」
「おっぱいデカイし」
「俺的にはうなじにそそられるぜ」
「お前マニアックだな〜」


がははは、と大口開けて笑う不良たち。ここは“天下の石矢魔高校”だから、不良がいることは問題ない。不良たちの会話の中身が重要なのだ。

とりあえず……


「だ〜れの事言ってんの?」
「そりゃオガヨm…」


心優しい俺は不良たちの首を天井に突っ込ませました。


「ふ、いい仕事したぜ」


その時の男鹿の笑顔は周りにいた不良たちを震え上がらせたという―…。


































「おい」
「何だ?」


家に帰ると“そいつ”は俺のベッドの上に居た。
誰の物と思ってんだ、と思ったが、ひとまずそれは置いて本題に移らせてもらう。









「お前、髪下ろさねぇの?」



……………








「は?」


眉を歪ませて「何を言ってるんだ?」と訝しげに見られることは予測ついていた。続けて「ついに脳みそまでカビが生えたのか」と言われたのには傷ついたが。……そこまで言わなくてもいーだろ。


「髪…纏めるのめんどくさくね?」
「そう思った事は無い。それに中途半端な髪はだらしがないように見える。」
「でもよ〜…」
「坊っちゃまに仕える以上、きっちりしとかなければな。」


坊っちゃま、ミルクの時間ですよ〜と、俺に背を向けてしまった。


……ふーん、そっちがその気ならこっちも勝手にやらせてもらおうじゃねぇか。


「…何をしている」
「お前出しすぎ」
「は?何を…っ!?貴様何して…!!」
「ちょうどいいところにうなじがあったからつい。」


ヒルダの白くて綺麗なうなじに映える紅い跡。
言わずもがな、《所有印》である。


「つい、で済むか!!」
「じゃあ隠せば?」
「隠すって……、貴様、もしや…」
「これで髪結んで外出られないだろ?」


とりあえず、万事解決ってな。
















あれ?珍しいですねヒルダさんが髪下ろしてるの



これが消えるまでの辛抱だ



は?



そん時はまた付け直してやるよ



ふざけるな!!!



???


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