小説

□悪魔の夫婦
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《ヒルダ視点》
その日はいつにも増して坊っちゃまの機嫌が悪かった。
そのつどあいつは電撃を浴びるのだが、それでもめげずに坊っちゃまをあやしにかかる。

……それは坊っちゃまの親として、当然の役目なのに。



「あれ?お前機嫌悪くね?」
「……そんなことはない」


そう、こいつが坊っちゃまと(人間界の)オモチャで遊ぼうがミルクを飲ませようがおしめを変えようが寝かせたあとに微笑みを浮かべようが、私には関係な……


「っっ!!?」
「ふぅ、やっと寝たなベル坊」
「貴様何してっ…!!」
「何って………お前を抱きしめてる?」
「言うな!!」
「てめぇが聞いたんだろーが」


な、な、なんだこれは!?
どうしたらこうなるんだ、こいつはさっきまで……!


「いやぁ〜、俺って愛妻家?」
「なんでそーなる!!」
「だってお前、寂しそうにしてたし」

今日のベル坊はすさまじかったからな〜、と大口開けて笑う奴の姿に寒気がした。
何故バレてる!?


「つーわけで、」


……その先を聞くのが恐ろしくなった。


「ぺたぺたぺたぺた」
「って何をしているのだ貴さっ……んあっ!!」
「俺はベル坊の父ちゃん。お前はベル坊の侍女悪魔……まぁ、母ちゃん。つまり俺とお前は“夫婦”だ」
「屁理屈だっ……やぁ!?」
「夫婦だったら……このくらいしないとなぁ?」
「ぃゃっ……」


この時の奴の顔は、悪魔としかいいようのない笑顔だったという―……








「………ダァ?」



実はまたすぐに起きた大魔王の子は二人の様子を見ていたのだが、親である男鹿の(悪魔のような)笑顔を見て満足し、電撃もないまま眠りの世界へと旅立つのだった。





坊っちゃまーーー!!

あとがき
実はヒルダのことをよく見てる男鹿のお話。
寂しそうにしてるヒルダをみて構ってやらなくちゃな、と思ったら、思いっきりいちゃついた、という……まぁね、男鹿も男だからね← いささか?調子乗りすぎな気がしますけど。…あとで(弱めに)殴られてればいい。そして男鹿はまたキュンってなればいい(殴

あと、ベル坊は二人が何してるか理解してません。
親である男鹿が笑顔だからいっか、という感覚。残念ながらヒルダの体はベル坊に背中を向けてたから表情とかは見えてないんですよね。だからヒルダが嫌がってることを知らない……という今更設定。……すみません。








ふんだんに妄想を盛り込んだ文になってしまいましたが、大変楽しかったです(満面の笑み)


ありがとうございました\(^O^)/





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