特別な品 2

□甘い香りに誘われる
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何もやることの無い、まったりした日曜日。
外は快晴、穏やかな空気。
しかし散歩ってのも億劫で。
まあ、ベル坊寝てるしいいかな、と思うし。

「・・・なんだ」
「いや、なんとなく」

こてんと右に体を傾ければ、ヒルダの肩に触れた。
サラサラなヒルダの髪がくすぐったい。

「・・・だからなんだ」
「いや、もう、さ」

ヒルダの甘い香りは、俺の理性を崩した。
というか、崩されない男をみてみたい。
・・・まあ、譲るつもりはないけど。

「俺、さ」
「・・・」
「こういうこと、初めてなんだよ」

小さいころから喧嘩にあけくれ、興味あるのは強い奴との喧嘩。
女と言えば、おふくろか姉貴くらい。

なのに、いきなり現れたこいつに俺は。

「だから、加減とかできねえ」

両手を彼女の胴体に回し、後ろで手を組んで逃げられないようにして。
なのにヒルダの言葉は冷めていて。
表情はみえない。
ギュッと力をこめてみた。

「・・・そうか」

・・・だからどこまで冷めているんだ、こいつは。
あー・・・なんか燃えてきた。

「ヒルダ」
「む?・・・んん!!?」

左手を頬に添え、右手で頭を支えた。
もちろん、ヒルダは逃げられない。
やばい、なにこの柔らかさ。
あ・・・

「おめえも嫌がらないんだな」

ヒルダの両手は、いつのまにか俺の背中に。
拒絶するわけでもなく、しっかり掴まえていて。

「ふ、貴様にサービスをくれてやろうとおもってな」
「こんにゃろっ・・・」

俺が有利なはずなのに、なんでこんな口をきくかねえ、こいつは。

「おい、ヒルダ」

次は答える暇もなく、口づけた。
次は、所謂“ベロチュー”というやつで。
予想以上に気持ちよくて、思わずずっとやっていてえ、なんて思ってしまった。

「むー!!んん!!」
「あ・・・ごめん」

さすがに長くやりすぎたのか、結構痛いものがとんできた。

はあはあ、と、息を整えるヒルダに、思わずゴクリと唾をのみこんだ。

「マジでやべえかも」
「・・・止める気などない癖に」
「分かってんじゃねえか」

一度知ってしまったら、止められないと思った。

「まあよい」
「・・・何が、」
「貴様なら・・・いいぞ」
「くっ・・・!!!」

え、なんなのこいつ!
最後の最後でそれはねえだろ!

顔が赤いのがばれないように、再度口づけた。



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