小説2

□形にも色々あります。
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男鹿ヒル前提のヒル+古
形にも色々あります。

最終回で魔界に行ってたのが判明したので。

親友が魔界に行った。
魔界ときいて、まず耳を疑うだろう。
そりゃ俺だって最初は驚いたさ。
しかし、現実世界ではありえないくらいの超越した力を見せられれば、誰だって信じるだろう?











いつ見ても美しい人だと思う。
見た目もそうだが、中身も綺麗な人だ。
少し、というかものすごい一途だけれども。

「聞いておるのか?」

紡がれるのは、彼女の主君の話、とその下僕の話。
今日は大魔王をあと少しのところまで追い詰めた、そういう話だった。
あと少し、ということは結局は負けたのだ、あの“下僕”は。
悔しがる様子が目に浮かぶ。

さすが大魔王様だ、いつやってもお強い。
坊ちゃまも大変ご健闘されたのだが、いささかあの男が弱くて倒せなかったのだ。
どうしたらあの男は強くなるのだ。
せっかくの坊ちゃまとの共闘なのに。

そう言ってため息をつく姿に、今は家で昼寝中という“下僕”を思い浮かべる。
どうせ“坊ちゃまは強いのに貴様はどうして弱いのだ”みたいな事を言われてふて寝でもしているのだろう。
あいつは中々繊細な男だ、と最近知った。
というか、ヒルダさん絡みでのみ、だが。

「しかし・・・最近はいい働きをしだしたぞ」
「・・・」

さすがは坊ちゃまに選ばれた男だ、と目を輝かせている。
だけじゃなく、少し頬は朱に染まっていた。
つまりはそういうこと。

「本当、ヒルダさん変わりましたね」
「む?」

以前のヒルダさんなら、坊ちゃま子とベル坊の事は褒めても、下僕こと男鹿に対してはいつも辛口評価だったのに。
内容はさておき、男鹿の事を話すヒルダさんはまさしく“乙女”であった。
・・・といったところで、この人に伝わるかは分からないが。
というか、まだヒルダさんと付き合ってないのかよあのバカ男は。
今まで一緒に魔界で過ごしてきて(甘い生活を送ってはいなさそうだが)何も進展なしって。
最近、というか十分遅いけれど、年頃の男女のごとく意識し始めたな、とは思っていたが。
ケンカだったら先輩だろうが悪魔だろうがガンガンつっこむくせにあのヘタレは。
こんな素晴らしい女性、誰も放っておけないだろう。
むしろ狙う輩が増加しちゃう?

だからさ、早く奪えよ。

 
「ヒルダっ!!」
「む?」

やっとお出ましかよ、男鹿サン。

息を切らせた男に、俺は一つため息をつくのだった。





親友が魔界に行った。
魔界ときいて、まず耳を疑うだろう。
そりゃ俺だって最初は驚いたさ。
しかし、現実世界ではありえないくらいの超越した力を見せられれば、誰だって信じるだろう?

それに、それでこいつらは幸せなのだからいいんじゃね?



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