特別な品

□鈍感な男と女
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男鹿辰巳15歳。
石矢魔高校に通う・・・どこにでもいる(?)不良高校生だ。
東邦神姫を退けるほどの実力を持っており、しかも雰囲気も厳しいものをもっているから、女子から遠ざかれていたのだが。


「ベルちゃ〜ん」


ベル坊の存在で、男鹿の近寄りがたいイメージアが薄れつつあった。
しかも男鹿はメキメキ父親スキルを上げて育児をするものだから、女子たちの視線がベル坊から男鹿にいくのは・・・仕方ない事と思うのだが。


「あの、あなたのことが好きです!」
「・・・誰?」


チクチョー男鹿ばっかり!!


古市は心の中で泣いた。
しかも男鹿は決まって無自覚で、知らずに女子を振る。今日もまた泣きそうな表情を浮かべて立ち去る女の子。
ああ、俺という存在があるというのに。

それに比べてこいつは・・・!


「お前、なんつーもったいないことを・・」

「いや、知らない奴と付き合ったって相手に失礼だろ」


男鹿に正論をはかれ、なんかモヤモヤする。
あれ、こいつこんなキャラだっけ?


「ま、ヒルダさんがいるしな」
「・・・、あいつは関係ないだろ」
「何ふてくされてるんだよ」
「別に」


男鹿の沈黙に疑問を抱きつつも、隣に座ってパンにかぶりつくのだった・・・





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