特別な品

□誰もが認めている事
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*ガイ、ルークが大学生、ナタリア、ティア、アニスが高校生です。







「はい、忘れ物」


授業の合間のある時間、次の授業で必要な教科書を用意しようとしたら、目の前にブウサギ柄のバックが置かれ、反射的に顔を上げた。


「まぁ、ありがとうございます、ガイ」
「いいえ、お姫様」
「もうっ、それは止めてくださいと何度も…」
「じゃあ…“ナタリア”」


どこかで歓声が上がった。


「俺帰るよ」
「そっ、それではまた…」


男…ガイは片手を上げてウインクして帰っていった。
女…ナタリアが顔を赤らめてるのを知らずに。


「…さすがガイ先輩、様になるねぇ」
「もうっ、ガイったら…」「あんなにカッコイイと…他の女に取られるよねぇ?」


今まで静かに事の成り行きをニヤニヤとアニスの言葉にナタリアは更に顔を赤くした…違う意味で。



「そんな事はありませんわ!!ガイも、もちろん私も愛しあってますもの!!」



………ナタリアは、穴があったら入りたかった。















「さすがナタリア、すげぇな」


場所は変わって廊下。
迎えにきたルークと合流して帰ろうとしたら、ナタリアの“あるセリフ”が聞こえてきた。


「ナタリア…、俺もだよ」
「え、ガイ…?」


親友のまさかの反応にドン引きするルークだった。





























ナタリアの“大々的なプロポーズ”(?)から数時間後、当事者であるナタリアとガイは微妙な距離を保ちつつも帰路についていた。
ナタリアが恥ずかしがって近づかないからである。
それをガイも分かっているから、あえて何も言わない。
それがナタリアにとって救いだった。


「あ、ナタリア」
「えっ?な、何でしょう?」
「今日ルークがな…」


そして他愛ない話が始まる。
それでナタリアの緊張はほぐれ、また、ガイに感謝するのだった。


「ガイ、ありがとう」
「ん?…!?」


無防備だったガイの左腕に自分の手を添える。
女性が苦手な体質であるガイはナタリアが触れられるだけで体が反応してビクッと揺れる。
しかし、ただそれだけ。
他の女性なら、大袈裟なくらいに反応して逃げるのに。


「ど、どうってこと、無い、さ」
「ふふっ」


自分のために頑張るガイをみて、更に愛しく思うナタリアだった。





























あのさ、ふと思ったんだけど…




何?ルーク




あんなに大々的に言わなくてもあいつら…





…そうね、皆分かってるわよね











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