特別な品

□負けません!!
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「ヒルダ姉様っ」


語尾にハートマークがつきそうな、下手したらハートマークを周りに飛ばしながらヒルダに抱きつくラミアに、何故だか分からないが腹が立った。
俺がしたら嫌がるくせに…
ギロリと睨み付けると、それに気付いたラミアから睨み返された。


「ちょっと、あっち行ってなさいよね」


邪魔なのよ、と付け加えられて更にイラつく。


……せっかくの休日だったのに。

珍しく誰からも邪魔されない、貴重な一日だったのに。
何だか分からないがいきなり来たラミアに邪魔され、さっきからこの調子だ。
本人曰く「ベルゼ様の様子を見にきた」らしいが、今はヒルダにべったりで見向きもしない。


「職務怠慢だっつの…」
「何か言った!?」


小声で言ったつもりが聞こえてたらしい。
おー怖い怖い。


自分でも分かるくらい気持ちが入ってないリアクションをすると、ラミアは更に眉を上げてつっかかってきたが。


「そうだヒルダ姉様!」
「何だ?」
「今からカフェに行きません?美味しそうなとこ、見つけたんです」
「な、おい…!」
「早く早く♪」


鼻歌なんか歌ってヒルダの腕をとって。
咄嗟のことで、俺もヒルダも反応できずじまい。
結局気付いたのは、外から聞こえるラミアのはしゃぐ声でだった……




























「負けてたまるか!!」






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