宝物

□嫉妬への愛
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「銀ちゃーん!!!!」

ちっ・・・、まただ・・・・。

俺はまた見たくもない光景を目の当たりにした。

それはいつものように巡回中俺が想いを寄せているあのチャイナ服のお団子の桃色の髪の少女が一緒に住んでいるあの銀髪の侍に飛びついている光景だった。

俺にはそんな笑顔見せないくせに・・・。

あーくそ・・・、イライラする!!

俺はむしゃくしゃしてこの場を去った。



次の日

俺は巡回という名のサボりでアイマスクを付けて昼寝をしていた。

するとチャイナの気配を感じアイマスクを取り顔を上げた。

「おい、サドどくヨロシ!!」

「何でィ、後から来たくせに何で俺がどかなきゃいけないんでさぁ。一緒に座ればいいじゃねえか」

その言葉にチャイナは不愉快そうな顔をし

「私はお前となんかと座りたくなんかないアル!!」

何だよ・・・、そんなに俺が嫌いかよ・・・。

俺の中のどす黒い感情が溢れだす。

「それに、お前と一緒にいるんだったら銀ちゃんといるアル!!」

俺はその言葉に俺の中の理性が切れた。

「ちょっ!!やめろヨ!!離せアル!!」

「銀ちゃん、銀ちゃんうるせえ!!」

気が付くと俺はチャイナの腕を掴みベンチに押し倒していた。

「沖・・」

俺はチャイナが俺の名前を呼ぶ前に口づけた。

深い深い欲望にまみれたキス。

もう、俺は歯止めがきかなかった。

チャイナは俺の胸を苦しそうにバンバン叩く。

だが、やめてやんねえ・・・。

お前が、悪いんだ・・・。

俺はこんなに想ってるのに・・・、なのにお前ときたらいつもいつも『銀ちゃん、銀ちゃん』・・・。

もう限界でィ・・・!!

嫌がってでも俺のモンにしてやらあ!!!

「や、サド、やめてヨ!!」

俺はチャイナの服に手をやるとビリビリっと破った。

「やああああああああああ!!」

服に隠れていた真っ白な小ぶりな胸が露わとなる。

チャイナの目から涙が溢れる。

俺はその姿にサディスティックの本能が興奮しチャイナの真っ白な首に噛みついた。

「やっ・・やめ・・・!!」

「やめねえよ・・・、俺がどれだけ待ちわびたかわかるか・・・、神楽」

俺は神楽を睨みつけ胸に手を伸ばす。

「サド、やめてヨ・・・、どうしてこんな事するアルカ?」

チャイナは涙を流しながら俺に問う。

どうしてだと?!

まだ、わかんねえのかよ・・・。

「俺はこんなにてめえが好きなのに・・・。気づきはしねえ!!俺には笑いかけないくせに旦那にはいつも笑顔で・・・。旦那と眼鏡をぶっ殺してやると何度思った事か・・・。もう限界なんでさぁ!!」

なあ、神楽・・・、俺はこんなに好きなんだよ・・・。

頼むから俺を見てくれ・・・。

俺は気が付けば涙を流していた。

するとチャイナが俺の背中に手を回した。

「サド、沖田・・・、ごめんネ、本当はお前の事大好きヨ」

えっ・・・、チャイナが俺を好き?!

「でも、お前旦那の事・・・」

「銀ちゃんはパピーのような存在アル・・・。好きなのはお前アル・・・。」

そういうとチャイナは俺の目に手をやると涙を拭う。

それは『だから泣かないで』という風に。

「お前の気持ちに苦しみに気づいてあげられなくてごめんネ。お前だったらこのまま犯されても構わないアル・・・。だから、銀ちゃんと新八には手を出しちゃダメヨ」

俺の真っ暗な心がようやく光が差し込んだ・・・。

「神楽ァ、神楽・・・神楽・・・、神楽!!」

俺はきつくきつく神楽を抱きしめる。

こいつは俺のモンだ。

俺だけのモンだ・・・、旦那にも眼鏡にも他の野郎になんか絶対にやらねえ・・・。

「大丈夫ヨ・・・。私はどこにも行かない・・・。ずっとお前のそばにいるアル」

そういうと神楽は俺の腕の中で笑みを浮かべた。

俺が一番欲しかったあの太陽のような笑みで。

やっと手に入れた・・・。

俺が一番欲しかったモン・・・。

俺と神楽は深くて甘い口づけを交わしたのだった。


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