特別な品
□認めたくない!!
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「何でだよ」
あのあとすぐバスから降り、近くにあったコンビニの裏にヒルダを連れていった。
理由を聞かなきゃ納得できねぇ
「てめぇ痴漢されてて…」
「それは坊っちゃまが…」
「また“坊っちゃま”か」
もう聞きあきたぞそのセリフ
確かにバスに乗る理由はベル坊にある。
乗った後も嬉しそうにはしてたし。だからヒルダも邪魔したくなかったのだろう。
だからって……
「な!?お、おい……どこを触っておる!?」
「なぁ、触られたのは…ここか?消毒してやるよ」
随分無理矢理だなぁ、と冷静に分析できる俺と、痴漢したオジサンとただ黙ってるヒルダに怒りを露にする俺、正反対な思いが体の中で渦巻く。
自然とヒルダに手を伸ばし、触られたであろう場所に触れた。
「ダーブゥ!」
無垢な瞳を向けるベル坊が眩しかった。
「………へいへい」
「ダー!」
おそらくヒルダがいじめられている、と勘違いしたのだろう。
ま、ある意味いじめようとしてたのだが、なんてタイミングの悪い。
「何を怒っておるのだ」
「怒ってねぇ」
本当に怒ってない。
これはそう、しっt………
って俺今なに思った!?
誰が!?誰にしっt!!?
「男鹿?」
「どわああぁぁあ!!?」
「っ…どうした?」
落ち着け俺!!
落ち着くんだよコノヤロー!!
「……たく、いつまで怒っておるのだ」
焦る俺とは反対に落ち着き払ったヒルダは呆れ顔で腕組みしていた。
「お前、嫌じゃねぇのかよ」
「嫌に決まっておろう」
「じゃあなんで…」
そんなに落ちついてるんだよ……と問えば、ヒルダは大きくため息をついて睨みつける。
「貴様の“ヤキモチ”が見れたからな」
「は?」
「今度からは壁際に女性をやるんだな」
「ちょ、待てヒルダ!!」
何こいつ今サラッとすごいこと言わなかった!?
俺が……
「んなの認めねーーー!!!!!」
(そこまで否定されると傷つくのだが)
(あ、わr…)
(まあよい…貴様の愛が見れたからな)
(!!??)