文壱

□ぬらりひょんの孫 二
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リクオはそのまま吸い寄せられるかのように女妖怪に近づいた。
「一人かぃ?」
リクオが聞くと女妖怪は頷く。
「名は何て言う?」
「あい、白菊でありんす」
変わったしゃべり方だったが白菊の声は官能的で美しかった。
「あんたさんは奴良組三代目総大将、奴良リクオ様でありんすね?」
白菊の言葉にリクオは少し驚く。
「知っているのか」
「この辺では有名でありんすよ」
微笑めながら言う。
「リクオ様」
「なんだ」
「あちきを組に入れてくだっし」
ダメでしょうか?と首を傾げる。
「いや、いいぜ」
「まぁ嬉しい、リクオ様おかたじけ」
白菊がお辞儀する。
頭を下げた白菊は少し哀しそうだった。
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