文壱

□ぬらりひょんの孫 七
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その日は何か嫌な予感はしていたんだ。





































朝も昼も何事もなく平和だった奴良組。
首無と白菊はいつものように縁側でお茶を飲んでいた。
毛じょうろうも首無の隣に座り茶菓子を頬張っている。
右に毛じょうろう。
左に白菊。
まさに両手に華。
妖怪たちは勿論羨ましく思ってる。
しかも首無もまた色男。
絵に書いたら結構な価格で売れるであろう。
妖怪ではなければ。
だがその日は珍しいことにリクオも参加していた。
「わぁ、この羊羮美味しいね」
「そりゃぁ有名な和菓子店で買いましたから」
リクオが感嘆の声を漏らすと毛じょうろうは胸をはって自慢した。
ほんの一時の幸せな時間。
白菊は心に刻み覚えようと目を細める。
(もう少しこうして幸せにいたい)
何度も思ったが無理だ。
白菊にはやらなきゃいけないことがある。
それは夜に実行する。
もう後戻りはできないのだ。
「ごめんなさい」
「ん?何か言ったか?」
白菊の小さな呟きを首無は感じとりきくが白菊は笑ってごまかした。
(ごめんなさい・・・義賊さん)
心の中でまた謝る白菊だった。
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