文壱

□ぬらりひょんの孫 四
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白菊が奴良組に入ってから数日がたった。
白菊はそこで家事の手伝いをしている。
いつも薄く微笑んでいるが本当の笑みを浮かべるのは首無と毛じょうろうだけ。
そして首無に対して特別な感情を抱いていることも知っていた。
首無も白菊を惚れていた。
二人は自分の気持ちに気づいているが伝えない。
ただ毎晩首無の部屋で月を見ながらお酒を飲み話すだけ。
二人にとってそれが居心地いいのだ。


「毛じょうろうどうしたの?」
いつものように首無と白菊は一緒にのんでいる。
だだ壁に、二人に気づかれないように毛じょうろうはもたれ掛かっていたのだ。
「なんにも」
そういうが言葉に覇気がなくうつむいていた。
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