文壱

□ぬらりひょんの孫 三
1ページ/4ページ

妖怪ヤクザ奴良組本家。
夜の散歩を終えたリクオが門をくぐった。
後ろには白菊がついてきている。
「リクオ様!」
リクオの側近である雪女、もとい氷麗が駆け寄る。
「お帰りなさい」
「おう、あと新入りだ」
「白菊でありんす」
白菊が頭を下げると氷麗も慌て頭を下げた。
「氷麗です」
「だから明日は休みだし宴会だな」
「はい!じゃぁ若菜様に伝えてきます」
急いで氷麗は若菜の部屋へ向かった。



しばらくして大広間には沢山の妖怪が集まってきていた。
「リクオ様」
「首無か」
首無がリクオに話しかけた。
「その妖怪はどこにいるのですか?見当たりませんが」
「準備中」
氷麗と毛じょうろうが入ってきた。
なぜか毛じょうろうは泣いた痕がある。
「首無」
声まで震えている。
「毛じょうろう?」
「生きてたんだ、生きてたんだよ姉さんが」
白菊が入ってきた。
そこにいる妖怪たちはその美しさにどよめくが首無は違った。
ただただ呆然とした。
「義賊さん」
その声に聞き覚えがある。
女の顔も。
全て。
首無は知っていた。
「白菊・・・・・・!」
ずっと昔、自分が惚れていた女で。
自分のせいで死んでしまった女だったからだ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ