永遠約束

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「はぁー…まだあんなに人が居るよ、ベル」

「うししっ。虫かっつーの!」


わらわらと溜まる人々を、私達は観覧車から見下ろしていた。
さっき乗ったジェットコースターや、コーヒーカップなどが見える。


「楽しんでくれた?」

「んー…」

「え、何それ!」

「嘘。冗談、楽しんだ」



くしゃりと私の髪をあやすように撫でるベル。
ガタリと立ち上がり向かい合う位置に居たベルが、私の横へと移動した。
肩と肩が、触れ合った箇所が、何だか熱く感じる。



「ホント、座高までオレより低いな」

「…っ、うるさい!」

「ししっ。そう怒んなって」


ポンポン、と背中を叩くベル。
そこからまたじわりと熱が広がる。

どうしてだ。理由もないのに恥ずかしくなってくる。



「子供扱いしないでよ!」

「ふーん、嫌なわけ?」

「当たり前でしょ!」

「うしし。顔真っ赤」


ペチ、と軽く頬に触れられる。
それに伴い頬は更に熱くなってきて、恥ずかくて俯いた。



「惚れた?」

「…っ、そん、な、訳……!」



惚れた?


ベルの言葉が甘い媚薬のように浸透する。

洗脳されるように、何度も。何度も。



「冗談だって」


そう言って笑うベルは寂しそうに笑った。



キモチ。
(私はベルの事が)(好き、なの?)

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