永遠約束

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「うわぁぁ見てよコレ!可愛くない!?」

「あーそうだねー」

「こっちも可愛い!お、これとか良くない?」

「そうだなー」

「聞いてんのベル?」


例のあの店に来た私達。
思ってたよりもセンスが良くて、可愛い物ばかりおいてある。
どれも欲しいけど生憎お金が無い。


「どうしよう、悩むね!」

「(来なきゃ良かった)」

「ね、どれがいいかな?」

「自分で決めろって」


素っ気なくダルそうに返すベル。
…うんごめんね、退屈だったね。


「やっぱりもういいや!次行こう!」

「もういいのかよ?」

「うん!…あ、ちょっと待ってて!」



ベルを入り口の所で待たせて、私はもう一度店舗に入った。
買いたいのあるの忘れてた!


「ししっ。やっぱ女だな」


何で女って買い物が長いんだ。
しかもあれこれ目移りしやがるし。
…自分が男で本当に良かった。


5分程度待つと、店から未来が出て来た。
しかも凄い笑顔で。


…何か心臓が熱い。


「はいこれ、ベルに!」

「何それ」

「いいから開けてみて!」


ずい、と差し出されたのは小さな紙袋。
遊園地のような絵が描かれていて、お土産にはもって来いって感じの。
ベルは折りたたまれた封入口を1つ1つ開いた。


「…指輪?」

「うん!その宝石、物凄く小さいけどベルっぽいなーと思って!」


中に入っていたシルバーリングには、縦横2mm位のトパーズが埋め込まれていた。
それが三代星のように三つ並んでいる。
ゴテゴテしてないし、付け易そうなデザインだ。


「サンキュ」

「え、あ。どういたしまして…?」


ビックリした、ベルがお礼言うなんて!
未来が慌てて返事をすると、ベルは愉しそうに笑った。



「これ、付けとくな」

「サイズ合ってるかな?」

「当たり前。なんたって王子だし」

「いやぁピッタリで良かった!」

「スルーかよ」


最近コイツはスルースキルを覚えた気がする。
…つーか普通さ、オレの為に金使って此処来たのにその上土産なんか買う?
しかもこれこいつの寒い財布にしては金掛かるだろうし。(1000円位?)
本当に、お人好し。
オレが一番嫌いなタイプ。


なのに、


「おっかしーな」

「え、何が」

「何でもねーよ」


帰りたくない、とか思ってる自分が分かんない。




不可解な感情
(オレは一体どうしたんだよ)(平和ボケし過ぎた?)

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