永遠約束

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「ちょ…ベル、絶対離れないでね!?」


真っ暗、当然ながら真っ暗。
私はベルの腕にしがみつくようにして歩いている。
いや、本当に怖いんだって!


「うしし。なあ、もしかしてお前さ」

「何!?」

「お化け屋敷、苦手?」


どっきーん。

「違うよ、苦手じゃないよ!ほらこうした方がベルが怖くないかと思ってね!
あー私って優しいなぁ、離れないようにしなさいよね!」

「ばあっ」

「うぎゃあああって…何すんのベル!!」


ボカッと割と本気で頭を殴った。
こいつ絶対楽しんでる!
あり得ない…!


「しししっ、怖がり」

「気のせい」

「ん、じゃあオレ1人でゴールするわ」

「駄目!!」

「だって怖くねーんだろ?」


悪魔だ。
お化け屋敷に本物の悪魔が降臨した。


「すみません嘘です助けて下さい」

「じゃあフランクフルト追加な」

「…っく、足元見やがって!」

「ごち」


それじゃ楽しんだし行くか、とベルが足を速めた。
私ははぐれないように必死で付いて行く。


…憑いて行く訳ではないから、ここ重要。



「出口発見」

「流石ベル!」

「だってオレ王子だもん」


誇らし気に言い放つベル。
うん、悔しいけど今回は輝いて見えるよ。
あいらぶべる。



「ありがとうございましたー!」


「じゃあ次どこ行く?」

「私が決めていいの?じゃあ、これ」

「空中ブランコ?止めようぜ、あ゙はぁってなる」

「何だそれ!」

「それよりこっちのがいいだろ」


そう言って地図で指差したのはジュエリーショップ。
主に女物が多く置いてあるらしい。

…ちょっと行きたいかも。


「でもベルが暇じゃん、ベルの為に来てるのに」

「いいよ、だって元々お前の金だし」

「それもそうだけど…」

「じゃ、行こうぜ」



キュッと私の手を掴み、人混みを掻き分けながら進む。
…はぐれそうで危ないなぁ。



「何ジロジロ見てんだよ」

「ちょっとねー」

「惚れた?」

「いやそれは無い」





自信家な悪魔
(オレに惚れたら火傷するぜ)(煩い帰れ)

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