永遠約束

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「うししっ。遊園地来たー!」

「暑いねぇ、人だかり凄いねぇ。帰ろっか!」

「チケット売り場みっけ!」


ひゅんっと腕を引っ張られてチケット売り場に連れ去られた私。
…どうせ全額払うの私ですよ。
これでバイト代が消えるなんて。



「あら、カップルの方ですか?
本日はカップルの方のみ半額とさせて頂いております」

「あ、ちが…」

「そうです!そうなんですよ、最近付き合い初めて!あははは」

「それでは二千八百円になります」


三千円を出して、二百円のおつりを貰う。
…よっし、1人分のお金で入れた!
犯罪ですって?何それ美味しいの。



「へーえ…お前オレの事好きだったんだ」

「な!勘違いしないでよ、安くなるの!半額なの!」

「ししっ。そんな事だと思った」


ひらりと私からチケットを奪い、入場口に向かうベル。
私もその後ろに続いて入ると、リストバンドを付けさせられた。

すると何やらニヤニヤしてる受付の人が、


「若くていいわね、デート楽しんで来て下さいね」

「…は、はあ…ありがとうございます」


デートじゃない!


「ベル、何処から行きたい?」

「取り敢えずあれ」

「…お化け屋敷?」

「そうそう、行こうぜ!」

「いや。まだ早いよ」

「いいじゃん」

「何で」

「レッツゴー!」

「いやあああああ!!!」



ずるずると引きずられるように進む私。
でろでろでーんて感じのお化け屋敷が着実に近付いて来る。

いやあああ。


「ちょ、ストーップ!ベル止まれ!
ジェラート買ってあげるから!」

「しししっ。聞こえなーい、ジェラートはあとで貰うから」


聞 こ え て ん じゃ ん 。
さり気なくジェラート要求すんな!



「2名様ですね、こちらへどうぞ」


「いつまで駄々こねてんだよ!ほら行くぞ」

「いやぁぁぁ!ヘルプミー!」




地獄へようこそ
(こんなの1日)(耐えられない!)

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